GEヘルスケア・ジャパン(株)は7月7日(水),グランドハイアット東京(港区)において,ポケットに入れられる最小・最軽量の超音波診断装置「Vscan」の記者発表会を開催した。
Vscanは,135mm(縦)×73mm(横)×28mm(奥行き)のコンパクトサイズの超音波診断装置。バッテリーやプローブを含めても重量はわずか390gと,超音波診断装置として最小・最軽量(同社比)を誇る。また,ダイヤルキーの採用で,“親指1本”での操作が可能であるなど,操作性の向上が図られているほか,ポケットサイズでありながら高画質な画像を実現した(詳細はこちらへ)。同日から先行予約を開始し,9月下旬に発売される予定である。
GEは,2009年5月,医療に関するビジネス戦略「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」を策定し,2015年までに60億ドルを投じて100種類のイノベーションを実施することで,15%のコスト削減,15%のアクセス拡大,15%の品質向上の実現をめざしている。Vscanは,このヘルシーマジネーションに基づき開発された製品で,在宅医療や地域医療などのわが国が抱える医療課題の解決,医師と患者を結ぶアクセスの促進,患者やその家族のQOLを高めるとしている。
記者発表会では,はじめに代表取締役社長兼CEOの熊谷昭彦氏が挨拶に立った。熊谷氏は上着のポケットからVscanを取り出すというパフォーマンスで製品を披露。そして,「画期的な製品であるVscanが新しい医療現場で,新しい使われ方がされていく中で,われわれも医療の質の向上に全社的に力を入れて貢献していきたい」と述べた。
超音波本部本部長の多田荘一郎氏は,Vscanの特徴を説明。多田氏は,医療機関内だけでなく,地域全体の医療の質を向上する役割をVscanにより担っていきたいと話した。
続いて,秋田赤十字病院内科(消化器科)部長超音波センター主任の石田秀明氏による「超小型超音波診断装置が医療を変える−Vscanがもたらす可能性」とNPO法人全国在宅医療推進協会理事長の神津 仁氏による「円滑な『診病連携』を実現する即時画像診断−在宅医療と患者さんのQOLの向上をめざして」と題した2題の発表が行われ,在宅医療におけるVscanの可能性と有用性などが報告された。 |