GEヘルスケアグループの日本法人であるGEヘルスケア・ジャパン(株)は,本年9月下旬,同社最小・最軽量の超音波診断装置「Vscan(ヴィースキャン)」を,全国の臨床施設を対象に発売する。
Vscanは,米ゼネラル・エレクトリック(GE)が2009年5月に立ち上げた医療に関するビジネス戦略「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」に基づき開発された,GEの技術の粋を結集した最新鋭の超音波診断装置。どこへでも持ち運べる手軽さと片手で扱える操作性を有しながら,簡易診断が必要とされるさまざまな医療現場のニーズに応える新感覚のポケットサイズのエコー装置である。Visual(視覚的な)とScan(診断)を組み合わせて名づけられたVscanは,在宅医療,地域医療など,日本が抱える医療課題の解決,医師と患者を結ぶアクセスの促進,患者やその家族のQOL(生活の質)を高めることを目指している。
なお,販売に当たっては,カスタマーコールセンター(0120-202-021)とウェブサイトのVscan特設ページ(www.gehealthcare.co.jp/rad/us/vscan/)を開設し,7月7日(水)から先行予約を開始する。
●主な特長
最小・最軽量,手軽な操作性
Vscanのサイズは135mm(縦)×73mm(横)×28mm(奥行き),バッテリー,プローブを含めても重量はわずか390g(ドッキングステーションは含まず)と超音波診断装置として最小・最軽量(同社比)を誇り,白衣のポケットに入れて携帯できるほか,ダイヤルキーの採用で「親指1本での」操作が可能なため,いつでも,どこでも素早いエコー検査を実現する。USB経由でパソコン(非医療機器)への接続が可能なため,手軽に汎用端末上で記録した撮影画像を閲覧できるほか,画像を参照用画像として電子メールに添付して転送することも可能。また,装置の充電は専用のドッキングステーションに置くことで簡単に完了する。
体内情報を即時描出する優れた機能性
性能面では,血流をカラー表示できるカラードプライメージング機能を搭載,3.5インチの液晶画面で血流をリアルタイムで観察できることに加えて,腹部・心臓・産婦人科の3領域に最適な撮影条件を初期設定しており,撮影時の調整時間を大幅に短縮するほか,体内情報の即時描出を可能にするアプリケーションをサポートしている。
幅広い用途での利用が可能
携帯電話のような手軽さで持ち運べるVscanは,臨床的には検査室外やベッドサイドでの診察に加えて,身体所見から,1分1秒を争う救命救急,在宅や僻地・災害医療,スポーツ医学などに至るまで,これまで超音波診断が困難であったり,使用頻度が低かったりした幅広い用途での利用が期待されている。一例を挙げると,院内では外来や回診,救急外来のほか,集中治療室(ICU)や心疾患集中治療室(CCU)といった1分1秒を争う急性期患者の検査,院外では,高齢化社会を迎え必要性が高まる在宅医療における,腹水・胸水の有無等の診断サポートや排尿障害を持つ患者の残尿量の確認などの場面で,すばやくその場で患者の体内を可視化できるVscanを活用することで,一段と迅速かつ正確な診断に寄与することを目指している。
これまでのどの医療機器をも飛躍的に上回る幅広い臨床応用の可能性を秘めるVscanは,疾病の早期発見といった医療の質向上のほか,一段と効率化が求められている医療現場の負担軽減に大きく貢献する。 |