渡部宏嗣氏
(東京大学 保健・健康推進本部)
渡邊 絵氏
(ギブン・イメージングマーケティング部 部長)
|
ギブン・イメージング(株)は,小腸用カプセル内視鏡の新製品であるPillCam® SB 2を2月1日から発売した(詳細はこちら)。それに合わせてメディアセミナー「進化するカプセル内視鏡と,カプセル内視鏡が解明する消化管疾患の最新情報」を開催した。
セミナーでは,まずギブン・イメージングマーケティング部部長の渡邊 絵氏が小腸用カプセル内視鏡の第2世代となるPillCam® SB 2(以下SB 2)の特徴を説明した。世界初のカプセル内視鏡であるPillCam® SBは,2001年の発売以来全世界で100万件以上の検査が行われてきた。日本では,2007年に「原因不明の消化管出血」を適応疾患として保険収載され,カプセル内視鏡による検査がスタートした。
カプセル内視鏡の普及・拡大につれて,ユーザーからは「画質の向上」「より広範囲の観察」「撮影可能時間の延長」「病変のわかりやすい表示」などの要望が寄せられた。同社では,画像観察や診断の支援として画像観察用ワークステーション「RAPID® 5 access」を提供して,多くの撮影画像から効率よく病変部分を確認できる環境を整えた。渡邊氏は,今回のSB 2の発売でカメラ本体の画質アップと視野角の拡大を実現することができ,これからのカプセル内視鏡検査のさらなる発展に貢献できる,と述べた。
続いて,「カプセル内視鏡の新展開〜PillCam® SB 2の使用経験およびカプセル内視鏡による小腸疾患診断の有用性について」として,渡部宏嗣氏(東京大学 保健・健康推進本部)がカプセル内視鏡の臨床での有用性とSB 2の使用経験を講演した。渡部氏は,“人体の暗黒大陸”といわれていた小腸に光を当てたカプセル内視鏡の意義は大きいとして,製品の概要とこれまでの歴史を簡単に紹介し,さらにSB 2の登場が小腸検査にもたらす有用性を次のように述べた。
「SB 2では,画像が広く明るくなったことで,従来カプセル内視鏡では観察が難しかった胃がん手術後の小腸吻合部や,十二指腸のファーター乳頭などの確認ができるようになり,画質の向上がもたらす効果は大きいと感じている。今後,SB 2での症例を積み重ねることで,画像のノイズの減少による診断精度の向上や検査効率のアップが期待できる。将来的には,自走式や治療も可能なカプセル内視鏡の登場や,診断の自動化などソフトウエアの開発にも期待したい」。
|