エレクタ(株)は,11月15日(土),ホテルラフォーレ東京(品川区)において,「ELEKTA VMAT SEMINAR」を開催した。「VMATの検証」と「VMATの臨床」の2部で構成され,4題の演題が発表された。
第1部「VMATの検証」は,順天堂大学大学院医学研究科先端放射線治療・医学物理学講座の小澤修一氏が座長を務めた。
William Beaumont HospitalのDirector of Clinical Physicsである Di Yan氏は,「Volumetric Modulated Arc Therapy」と題して講演。東京大学医学部附属病院放射線科医学物理室の芳賀昭弘氏は,「東京大学でのVMAT検証」と題して,線量やガントリスピードについて検証した結果などを述べた。
第2部「VMATの臨床」では,東京都立駒込病院放射線診療科の唐澤克之氏が座長を務めた。
William Beaumont HospitalのChairman of Radiation OncologyであるAlvaro Martinez氏は,「Beaumont VMAT experience」と題して講演し、多くの臨床画像を示して,VMATのメリットについて詳述した。東京大学医学部附属病院放射線科准教授の中川恵一氏は,「VMAT experience at University of Tokyo」と題して講演した。VMATの特長の説明では,同院で行われた治療の様子が動画でも紹介された。中川氏は,VMATは治療計画や検証を容易に行うことができる,照射時間が最短で1分40秒と非常に短い,VMAT中のkV-CBCTによる位置確認が可能であることなどを説明した。そして,何よりマンパワーの限られた日本の放射線治療の現場にマッチした治療法であるとまとめた。
これからの放射線治療を牽引する新しい治療方法として,VMATへの期待はますます高まっている。
※ Volumetric Modulated Arc Therapy(VMAT):強度変調回転放射線治療
VMATは,エレクタ社製IMRT&IGRT用リニアック「Elekta
Synergy」の治療ビーム照射口を回転させながら照射を行うもので,kV-CBCTによる正確な位置決めを行い,治療を実施できる。東京大学医学部附属病院は2006年9月にElekta Synergyを導入。エレクタ社と共同でVMATの研究開発を行い,パイロットサイ
トとして検証を行ってきた。
会場風景
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