第36回日本放射線技術学会(JSRT)秋季学術大会が10月23日(木)〜25日(土)の3日間,軽井沢プリンスホテルウエスト(長野)において開催された。山梨大学医学部附属病院放射線部の佐野芳知氏が大会長を務め,「放射線技術の継承と飛躍」をテーマに,特別講演,一般研究発表,部会・分科会シンポジウム,ハンズオンセミナーなどが行われた。
また,例年行われている各医療機器メーカーによる機器展示に加えて,今回は特別機器展示として,「表示装置の歴史を訪ねて〜ブラウン管とブラウン管テレビジョン 技術革新の歴史」が設けられた。これは,長きにわたり表示デバイスの主役であり続けたブラウン管の技術革新の歴史と変遷を通して,先人の技術者が残した軌跡をたどることをねらいとしている。展示資料は,東京特殊電線(株)映像機器事業のパイオニアである藤岡清登氏が同社在職中から個人で収集していたもので,その中から約40点が出展された。
現在,藤岡氏が収集したブラウン管の一部は,“テレビの父”と呼ばれるテレビ技術者の高柳健次郎氏を記念して設立された静岡大学高柳未来技術創造館に,“藤岡コレクション”として所蔵・展示されている。藤岡氏自身のメンテナンスによって,多くが作動可能であり,実際に映像が映し出されている様子を目にした来場者からは,感嘆の声が聞かれた。 |