(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンは9月20日(土),品川インターシティホール(東京・港区)において,「Brilliance iCT Launch Symposium -フィリップス新製品発表会-」を開催した。256スライスのマルチスライスCT「Brilliance iCT」は,今年7月に薬事承認を受け,10月から出荷を開始した。すでに国内第1号機が千葉西総合病院に納入されることが決定され,年内に3台以上の納入を予定している。
Brilliance iCTは,心位相同期法であるBeat to Beat Delay Algorithmに加え,最高時間分解能34msを達成する0.27s/rot の高速スキャンを実現したことで心臓CTとしてきわめて優れた有用性を発揮できる。また,80 mm(0.625 mm×128)のワイドカバレッジにより肺野や腹部などのFOVの広い領域でも高速スキャンと高画質を両立。さらに,X線管には,最高出力1000mAのiMRCを用いており,体格の大きな被検者の検査にも対応できるほか,ヘリカル専用の可変コリメータにより被ばく低減も実現している。今回のシンポジウムではBrilliance iCTの特徴の説明や,海外での使用経験に基づく臨床報告などが行われた。
シンポジウムでは始めに,熊本大学医学部画像診断・治療科教授の山下康行氏が開会の挨拶に立ち, 「CTは,列数,回転速度,再構成技術,管球容量など,トータルのパフォーマンスが重要であり,その意味でBrilliance iCTは非常に高い性能を持っている」と同装置を評価した。続いて,(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンヘルスケア事業部社長の藤原 浩氏が挨拶を行った後,講演が行われた。
Philips CT Global SystemsのN.Abraham Cohn氏は,「Advances in CT:Brilliance iCT and Essence Technology」と題して講演。Brilliance iCTの技術と特徴を詳述した。また頭部,骨盤,肺についても画質の向上が図られていることを強調した。
次に,桜橋渡辺病院の小山靖史氏による講演「iCTによるCardiac CTの可能性〜よりやさしく,より確実に〜」が,大阪からライブ中継された。小山氏は,iCTの特徴を説明した上で,同装置による心臓CT検査ではβ-Blockerの前投与が不要になることや検査時間・解析時間の短縮などが期待されると述べた。
続いて,愛媛大学医学部放射線科教授の望月輝一氏が,ユトレヒト大学医療センター教授のMathias Prokop氏にBrilliance iCTの使用経験をインタビューした様子がビデオ上映された。
最後の講演は,ドイツのウルム大学病院のMartin H.K.Hoffmann氏が,「Impact of 256-section CT on cardiac imaging-novel technology and beyond」と題して行い,Brilliance iCTで撮影された症例画像を多数示しながら,臨床上の有用性などを述べた。 |