アキュレイ・インコーポレイテッド(米国)は,同社が開発した「サイバーナイフU(CyberKnife Robotic Radiosurgery System)」が厚生労働省から体幹部への適用拡大の承認を得たことを受けて,7月24日(木),日本プレスセンタービル(東京)にて記者説明会を開催した。同社社長兼CEOのユアン S.トムソン氏は,日本のがん治療に大きく貢献できると確信すると述べた。
サイバーナイフUは,ロボット制御により放射線をミリ単位以下の高精度で照射して腫瘍を治療するラジオサージェリーシステム。わが国では1996年に頭頸部腫瘍への適用が認可され,現在まで20台が導入されている。今後は脊椎,肺,肝臓,膵臓,前立腺がんを含めたすべての体幹部腫瘍に適用が拡大された。会見に出席した新緑会脳神経科サイバーナイフセンター院長の佐藤健吾氏は,「国内でサイバーナイフの世界標準の治療がようやく受けられるようになった」と述べた。東京大学医学部附属病院放射線科准教授・緩和ケア診療部長の中川恵一氏は,「サイバーナイフによる追尾型体幹部定位放射線治療は,外科手術をせずに,肺・前立腺などの動きのある臓器を5回の照射で治療できる」とその意義を強調し,日本の医療機器の認可が海外に比べて遅れている現状については,これから徐々に改善されていくのではないかと期待を述べた。
なお,2007年に設立された日本法人の日本アキュレイ株式会社代表取締役社長・木梨峰夫氏は,2004年以降同製品の販売契約を締結している株式会社千代田テクノルと共に営業・販売を行っていくと述べた。 |