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取材報告

2008

富士通が「第10回 富士通病院経営戦略フォーラム」開催


会場風景
会場風景

【基調講演】

尾形裕也氏(九州大学大学院医学研究院教授)
尾形裕也氏
(九州大学大学院医学研究院教授)

【特別講演】

竹田 秀氏(財団法人竹田綜合病院理事長)
竹田 秀氏
(財団法人竹田綜合病院理事長)

明石光伸氏(大分県厚生連鶴見病院病院長)
明石光伸氏
(大分県厚生連鶴見病院病院長)

近藤俊之氏(千葉県立病院事業管理者)
近藤俊之氏
(千葉県立病院事業管理者)

総合司会:蟹瀬誠一氏(国際ジャーナリスト・明治大学国際日本学部長)
総合司会:蟹瀬誠一氏
(国際ジャーナリスト・
明治大学国際日本学部長)

 富士通(株)は 5月15日(木),16(金)に「フィールド・イノベーションを加速する〜もっとお客様のビジネスへ〜」をテーマに東京国際フォーラム(千代田区)において「富士通フォーラム2008」を開催した。その中で,15日に医療特別セミナー「第 10回 富士通病院経営戦略フォーラム」が行われ,「地域医療計画の進む中で〜医療機関に求められる経営姿勢〜」をテーマに4つの演題が発表された。

 はじめに,九州大学大学院医学研究院教授の尾形裕也氏が,「新たな医療提供体制のあり方と医療機関経営」と題して基調講演を行った。尾形氏は,わが国の医療提供体制は,(1) 資本集約的な医療サービスの提供,(2) 機能分化・標準化の欠落,(3) 民間主導の医療提供体制という特徴を持つと説明。その上で2006年医療制度改革では,より労働集約的な方向への転換,地域完結型医療をめざした機能分化と連携の推進,情報の積極的開示を通じた患者による医療機関の選択の促進が示されていると述べた。また,これらの方向性は中長期的に見て不変なものであり,医療機関経営を考える上での基本的な前提であるとの見解を示した。

 続いて特別講演が3題行われた。財団法人竹田綜合病院理事長の竹田秀氏は,「地域医療連携と病院経営−民間病院の事例から」と題して講演。地域医療支援病院,地域周産期母子医療センター,地域がん診療連携拠点病院などの指定を受けている同院の地域における役割や取り組みを紹介した。大分県厚生連鶴見病院病院長の明石光伸氏は,「病院再生への道」と題して講演した。明石氏は,“地域住民に信頼され,頼られる病院”をスローガンに,職員の意識改革や地域医療科の新設など,病院再生に向けて行った取り組みの詳細と成果を説明した。千葉県立病院事業管理者の近藤俊之氏は,「医師不足時代にどう向き合うか」と題して講演した。近藤氏は,病院の存在意義が明確であることや他科医師と連携できる診療体制が整っているといった,医師が集まる病院の持つ特徴を再度考える必要があると述べた。

 講演終了後には,尾形氏が座長を務め,竹田氏,明石氏,近藤氏のほか,総合司会の国際ジャーナリスト・明治大学国際日本学部長の蟹瀬誠一氏が壇上に並び,総括発言の場が設けられた。医師不足,医療機関の経営難,医療費増大など,わが国が抱えるさまざまな医療問題に対する意見交換がなされ,フォーラムは盛況のうちに幕を閉じた。


総括発言の様子
総括発言の様子


●問い合わせ先
「富士通病院経営戦略フォーラム」事務局
TEL 03-6252-2572 / FAX 03-6252-2915
(平日9:00〜11:50,12:50〜17:30)