(株)日立メディコは3月26日(水),同本社会議室(東京・千代田区)において「プロダクトミーティング2008」を開催した。4月4日(金)〜6日(日)の3日間にわたってパシフィコ横浜で開催される2008国際医用画像総合展(ITEM
2008)に先立ち,展示製品を中心に,新たに搭載された最新技術などが紹介された。
はじめに,浜松 潔執行役副社長(写真1)が挨拶に立ち,4月から現執行役社長の稲員裕三氏の後任として浜松氏が執行役社長に就任するとの報告があった。その上で,同社の今後の販売戦略などについて言及し,超電導型1.5T
MRI「ECHELON Vega」をはじめとする2007年に発表した製品は,普及が進むと同時に臨床での評価も高まってきているとし,ITEM
2008では臨床評価を基に製品開発を進めるという同社の姿勢を表した「Fine-tune your
sight」をブースのテーマにしたと述べた。
製品紹介では,X線装置,CT,MRI,超音波,メディカルITについての発表が行われた。XR戦略本部の小田和幸氏(写真2)は「X線装置 CUREVISTA臨床上の有用性」と題し,テーブルオフセット機構とオフセットアームを搭載したFPD搭載DRシステム「CUREVISTA」の特長や最新技術について紹介した。広いワークスペースを確保して患者さんへの高いアクセス性を実現したほか,さまざまな最新技術によって,コンパクト設計でありながらもFPDの性能を最大限に生かした高画質画像が提供できると述べた。
CT戦略本部の古曳孝明氏(写真3)は「全身用X線CT診断装置ECLOS-特長・新機能と今後の展開について」と題し,X線管球,検出器列数,寝台,ネットワークを施設規模や設置スペースなどに合わせて自由に組み合わせることが可能なCT「ECLOS」を紹介。2007年6月末の出荷開始から2008年3月末までの9か月間で,すでに日本国内で約150台,全世界では約200台が稼働するなど,順調に納入実績を伸ばしていると報告した。
MRIマーケティング戦略本部の大島伸夫氏(写真4)は「進化する 日立MRイメージングシステム」と題し,ECHELON
Vegaに搭載された最新アプリケーションとして,脂肪を安定的に抑制する「H-sinc」,3D高速撮像法「TIGRE/3D-GEIR」,RF磁場を均一にして診断しやすい画像をつくる「NATURAL」,体動によるアーチファクトを抑制する「New
RADAR」,FSEの画質を最適に保つ「primeFSE」,良好な非造影MRAを得る「BASG」などを紹介した。また,永久磁石型0.4Tの「APERTO
Inspire」と0.3Tの「AIRIS Elite」に,造影撮像機能を中心とする最新アプリケーション「ASCENDING
6.0」が搭載されたことなどを踏まえ,オープンMRIの進化の歴史や今後の可能性にも言及した。
US戦略本部の遠藤 正氏(写真5)は,「超音波装置の最新技術について」と題し,同社が世界ではじめて製品化した,組織の硬さの情報を映像化するエラストグラフィと,超音波画像と同じ断面のCTのMPR像をリアルタイムに表示するRVS(Real-time
Virtual Sonography)の新しい展開について詳述した。特に,エラストグラフィでは,従来から有用性が高いとされていた乳腺のみならず,甲状腺,前立腺,皮膚,整形,血管,腹部などにおいても臨床的有用性が示されつつあると報告した。
メディカルIT製品戦略本部の井桁嘉一氏(写真6)は,「Fine-tune
for Medical IT Solution-医療におけるITをグッドデザインする」と題し,医療情報システムや読影環境,健診・保健指導業務のデザインをテーマに製品開発の手法などについて紹介した。医療情報システムでは,人間中心設計プロセスというユーザビリティデザインの手法を取り入れ,試作品を使用したユーザーの意見や実際のワークフローを分析して設計することで,高性能と同時に優れた操作性やユーザーにやさしいデザイン性を実現。その点が評価され,放射線情報管理システム「OPEN-RIS」,OPEN
PACSシリーズ「NV-1000」および読影レポーティングシステム「Natural Report」が,2007年度のグッドデザイン賞を受賞したと述べた。このほか,今年4月から実施される特定健診・特定保健指導を支援する新しいソリューションとして「Hellseher
Willing」が紹介された。 |