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取材報告

2008
MR マンモグラフィ研究会が
MR マンモグラフィの実態調査結果を報告

中村清吾 氏
中村清吾 氏
(写真1)

 MR マンモグラフィ研究会(発起人:中村清吾氏(写真1)・聖路加国際病院ブレストセンター長)は2月17日(日),都市センターホテル(東京)で開催された「第17回日本乳癌画像研究会」において,「MR マンモグラフィ実態調査報告」を行った。MR マンモグラフィは,両側乳房の同時撮像が可能であり,乳がん術前の広がり診断や良悪性の鑑別診断,対側乳房の病変の発見,術前化学療法の効果判定などに有用であるとされている。厚生労働省は,乳がん検診後の精密検査の精度を向上するため,がん診療連携拠点病院におけるMR マンモグラフィ設備の整備をめざしており,平成20年度の概算要求案で「乳癌用マンモコイル緊急整備事業」として8億7千万円の予算を内示した。これにより,乳腺専用コイル購入費の半額を補助するとしている。

 しかし,MR マンモグラフィについては,施行の実態やコイルの性能レベル,読影の実態などが把握できていないのが現状である。そこで,同研究会は,がん診療連携拠点病院および乳がん手術件数の多い施設を対象とした緊急アンケートを実施し,その結果を中村氏が報告した。

 対象となった549施設中321施設(58%)から回答があり,そのうちの272 施設(85%)がMRマンモグラフィを実施していることがわかった。しかし,272施設中58施設(21%)で専用コイルを使用しておらず,その他の施設もチャンネル数は1chと2chが約60%を占めており,最新鋭の7ch,8ch コイルを使用している施設は約10%にとどまった。

 さらに中村氏は,乳がんの年間手術数が150 件を超える40 施設のうち,がん診療連携 拠点病院は18施設と半数以下であることに触れ,補助金の対象ががん診療連携拠点病院のみであることへの疑問を投げかけた。また,診療に必要な画像を得るためには専用コイルが必要であり,バイオプシーなども視野に入れると,チャンネル数の多いコイルの整備が必要であるとの見解を示した。


●問い合わせ先
MR マンモグラフィ研究会事務局
mr_mammography@yahoo.co.jp