富士フイルム(株)は,国内メーカーとして初めてとなるFCRデジタルマンモグラフィCAD「MV-SR657」を2月6日(水)から発売した。同日には,東京ミッドタウン(東京・港区)において報道関係者向けに,発表会を行った。
新製品のマンモグラフィCADは,同社のデジタルマンモグラフィである「FCR PROFECT
CS」で撮影された乳房画像を独自の自動認識技術を用いて解析を行い,病変が疑われる部位を抽出し,診断を支援する。日本人女性の場合,欧米に比べ乳腺構造が発達していることから,国内の症例データを約3000例収集し,検出アルゴリズムを開発した。薬事申請にあたりデータ収集に協力した国立がんセンターでは,がん症例106例,正常例96例で検証している。CADの能力としては,石灰化を97〜98%,腫瘤を約80%検出することができるという。検出結果については,同社のPACS「SYANPSE」上でも専用のマンモビューワを使用することで表示が可能だ。この「MV-SR657」は,CADを搭載したPCと表示用の3Mモニタ1面で構成され,価格は税別で2000万円となっている。
報道関係者向けの発表会では,同社の常務執行役員であり,富士フイルムメディカル(株)代表取締役社長の加藤久豊氏が,FCRの歴史やマンモグラフィの国内市場動向,CAD開発の経緯,背景などを交えて新製品の説明を行った。また,「日本の乳がん対策の実態とマンモCADの有用性」と題し,国立がんセンターがん予防・検診研究センター長の森山紀之氏が講演した。森山氏は,CADを用いることで,読影する医師の負担を軽減し,経験不足の医師を支援することになり,診断精度の向上に結びつくと,有用性について説明した。
同社では,初年度国内で50システムの販売を見込んでいる。ヨーロッパでの販売も開始しているほか,米国での展開も予定している。 |