(財)日本医療機能評価機構主催,日本医師会・厚生労働省後援の「第6回EBM研究フォーラム」が2月2日(土),日本医師会館大講堂にて開催された。(財)日本医療機能評価機構は1997年度より病院機能評価事業を開始し,認定病院は現在,2400施設を超えている。さらに同機構は,10年ほど前から重要性が指摘され始めたEBM(根拠に基づく医療)に関するデータベース設置に対する厚生労働省の補助金事業として,2002年度から医療情報サービス事業(Minds
: Medical Information Network Distribution Service)を開始。2004年度から,各種学会が作成した診療ガイドラインを中心にインターネット上での一般公開を開始し,広く情報提供を行っている。現在,医療提供者向けガイドラインは42疾患,一般向けガイドラインは12疾患が掲載されており,ユーザー登録数は31233人(08年1月末現在),平均月間ページビューは約50万件にのぼっているという。
このMinds事業の普及促進を目的として,年1回の「EBM研究フォーラム」が開催され,今回で6回目を迎えた。今回は,2007年度に新たに公開した11疾患(頸椎後縦靱帯骨化症,頸椎症性脊髄症,軟部腫瘍,小児急性中耳炎,褥瘡,前立腺癌,胃がん検診,肺がん検診,突発性正常圧水頭症,膵癌,大腸癌)の診療ガイドラインについて,作成班の責任者からの報告が行われた。その後,「日常診療に役立つ診療ガイドラインを目指して」というテーマでシンポジウムが設けられ,生涯教育,医師初期臨床研修,プライマリケア,専門医などの立場からそれぞれの活用法が報告された。
今後もEBMに基づく診療ガイドラインの作成とMindsによる公開が進められることで,誰でもどこでも充実した医療情報が得られることが期待される。
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