シーメンスAGのヘルスケア部門において,The Clinical Products(HCP)DivisionのCEOであるNobert Gaus氏が6月7日(火)に来日した。シーメンスのヘルスケア部門は2010年5月より,4つの戦略的ユニット(Division)体制で,グローバルな事業展開を強化している。具体的には,The Imaging & Therapy(HIM), Diagnostics(DX), Customer Solutions(CX), The Clinical Products(HCP)の4 Divisionとなる。シーメンスはヘルスケアにおいて,全世界の幅広い領域を対象に,顧客や市場の視点に立った体制づくりを進めている。戦略的ユニット(Division)体制は,個々の製品単位ではなく,ニーズにあったマーケットアプローチや,Divisionとしての相乗効果をめざした展開を行っている。
HCP Divisionは超音波診断装置や,マンモグラフィ,一般撮影・X線透視装置,ポータブル・外科用Cアーム装置などX-ray関係を扱い,4 Divisionの中では最も大きくて安定している市場を持ち,また成長している分野である。また近年,各社とも,発展途上国やBRICsなど経済成長が著しい国々の市場開拓に躍起になっている競争の激しい分野でもある。HCP Divisionでは,技術革新性とコスト効率をいかに両立させ,バランスをとっていくかを重視している。Nobert Gaus氏はCEOとして,グローバルな市場シェアの拡大を図るために,全世界でディーラーやパートナーとの協力関係を築き,強力なネットワークを構築し,顧客ニーズや情報の収集と開発へのフィードバックを実現することに奔走している。今回の来日もその一環であり,続いてアジア各国を歴訪する予定だ。
Nobert Gaus氏は小誌のインタビューに答え,まずこの度の東日本大震災へのお見舞いの言葉を述べた。シーメンス社は,45か国の社員からの寄付200万ユーロに会社が同額を上乗せした400万ユーロの義援金,ならびに超音波装置などの支援物資の計600万ユーロ相当の寄付を行っている。そして,HCP Divisionの事業展開については,明確なビジョンのもとに市場シェアの拡大を図っていくことに自信を示した。また期待されるこれからの技術や製品について,デジタルマンモグラフィのトモシンセシス機能や乳腺超音波検査用専用スキャナ(ABVS),1心拍でのFull Volume Imaging(Echo in a Heartbeat)を実現する心臓超音波装置,多目的・多用途のデジタルX線透視装置などを挙げて紹介した。日本市場の重要性についても言及し,日本の顧客ニーズを反映させたソリューションは世界に通用する基準となると述べた。
※ インタビューの詳細はこちら。 |