Surgery / Interventionコーナーでは,ハイエンドな外科用X線装置「OEC 9900 Elite」と血管撮影装置「Innovaシリーズ」(展示装置はInnova4100IQ Pro)が中心に展示が行われた。
OEC 9900 Eliteは,血管撮影装置「Innova」シリーズに採用されている画像処理技術“ダイナミックレンジマネジメント(DRM)”を採用し,骨や軟部組織,デバイスなど画像情報を構成する複数の空間周波数成分を処理することで,従来にない血管やデバイスの視認性の向上を実現している,世界でも高い評価を得ているモバイル型外科用Cアーム装置。今回のRSNA2010では,世界的なハイブリッドORへのニーズの高まりを受け,床置き式マルチビューワサスペンションシステム「Nu BOOM」をOEC 9900 Eliteと組み合わせた展示が行われ,モバイルでありながらも高画質・高性能なOEC 9900 Eliteであれば,ハイブリッドOR環境が容易に構築できることが示された。Nu BOOMは,工事をすることなく手術室に設置可能で,従来よりもアームが長くなり,モニタディスプレイもより高解像度になったほか,天井が低い手術室にも対応する。通常の手術時にはテーブルを手術用のものに置き換えたり,アームを小さくたたんでおくなど,手術室をきわめて有機的に活用することが可能となる。また,OEC 9900 Eliteには,新機能としてワイヤレスネットワーク(日本国内薬事未承認)が搭載され,無線LANでDICOM画像を保存することが可能となった。
Innova IQ Proシリーズでは,3Dロードマップ“Innova Vision”の機能がさらに充実し,新たに肝臓がんへの栄養血管を3Dマッピングするアプリケーション“Flight Plan For Liver”(日本国内薬事未承認)がAdvantage Workstationに搭載された。Flight Planは,従来の3Dロードマップで課題となっていた,腫瘍の原因血管の特定を容易にする同社独自の技術。肝がんとカテーテルのそれぞれにマークをすると,2点間の血管だけが自動的に特定され,緑色で表示される。これにより,カテーテルをより選択的に進めることが可能となり,手技の精度向上につながると期待されている。また,Innovaシリーズでは,新たに外科手術の周辺機器を固定する各種アタッチメントが紹介された。
このほか,新たな穿刺ガイドシステムとして,ニードルナビゲーションシステム“IG4”(日本国内薬事未承認)が紹介された。カテーテルに組み込むことが可能な針の先端にセンサーを搭載し,針先の位置をダイレクトに検知して3D画像上にリアルタイムにトラッキングすることができる。将来的には,RFAをはじめ,穿刺系のアプリケーションにはすべて搭載可能になると見込まれている。 |