同社は今回,3DワークステーションでもPACSでもない,新世代の画像解析処理システムとして「syngo.via」を発表した。従来,画像診断は,1)モダリティ,2)PACS,3)ポストプロセッシングシステムの3つのカテゴリーで成り立っていたが,syngo.viaはこのいずれにも属さない第4番目の新しいカテゴリーと位置づけている。PACSの画像表示機能を進化的にカバーし,画像診断ワークフローに組み入れることが可能な自動画像処理(Auto Processing)や,モダリティとの親和性やさまざまなITシステムとの連携性(Accessibility)を有することで,いつでも,どこでも(Anytime, Anywhere)必要な画像を最適なアプリケーションで表示できることが特長となっている。これにより,既存のインフラを何も変えることなく,syngo.viaを追加するだけで,画像診断ワークフローの飛躍的な改善が可能となる。
具体的には,syngo.viaでは,HISやRISとの連携により,患者ごとの検査領域や検査目的を判断し,CTやMRIなどのモダリティが生成する画像データがsyngo.viaに送信されると,画像診断に必要な画像解析や比較読影に必要な過去画像取得と最適なレイアウト表示などが,自動的にかつ高速に行われる。電子カルテの画像呼び出しボタンと連携可能なインターフェースを有していることで,画像を呼び出すと必要なアプリケーションが処理ずみ画像を自動で表示するため,従来はワークステーションなどを使って手動で行っていた3D画像作成のワークフローが大幅に改善されることになる。この結果,画像診断に取り掛かる時間が改善されるのはもとより,例えば,救急患者の搬送後の「検査実施から画像表示まで」の時間を短縮でき,担当医師がいつでも自由に必要な画像を閲覧することが可能となる。つまり,従来の“3D画像を作る”という考え方から“3D画像を自動表示する”時代への先進性をめざしたものと言える。また画像参照は,既存の汎用PCをクライアントにして行うことができる。
さらに,従来はコンソールからしか行うことができなかったスキャンプロトコールの設定を他の端末から行うことが可能となったほか,システムの維持管理面においては,ソフトウエアのバージョンアップやサーバの状況監視をリモートで行うことでコストを抑制し,導入後に増加傾向となる費用を一定の範囲内で保守契約を設定することで,TCO(Total Cost of Ownership)の抑制にもつなげることが可能となった。また,システムを停止することなくバージョンアップが可能なように工夫されていることも,大きな特長となっている。 |