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Ask the Ultimate Power in Imaging―画像診断がもたらす究極の可能性を求めて

 “Ask the Ultimate Power in Imaging―画像診断がもたらす究極の可能性を求めて”をテーマに掲げたシーメンスブースでは,画像診断分野でのリーディングカンパニーとしての責任を全うするため,最新のテクノロジーを通じて,患者さんおよび医療に携わるすべての人に対してどのように貢献できるかをアピールした。確かな技術を迅速に日本に導入すること,その技術の臨床的な有用性を追究すること,その結果,病院経営やワークフローの効率を向上することという,“Technology”,“Medicine”,“Business”の3つを充実させることを目標としており,これらをひとつのストーリーラインとしてブース展開を行った。さらに,こうした目標を実現する新製品として,128スライスCTと同じユニットを2基搭載したデュアルソースCT「SOMATOM Definition Flash」を中心に,PET・CT「Biograph mCT」,乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナ「ABVS」(Automated Breast Volume Scanner)などが紹介された。(4月17日取材)

  シーメンスブース

デモンストレーションの様子
デモンストレーションの様子

◆ CT ハイパワーなヘルシアCT「SOMATOM Definition Flash」を発表
   

 CTは,1管球の128スライスCTと同じユニットが2基と100kWのX線発生器が2基搭載されたデュアルソースCT「SOMATOM Definition Flash」が注目を集めた。デザインはガントリ開口径78cm,寝台のストロークが200cmと従来製品を踏襲しているが,2つの管球による二重螺旋スキャンを行う新技術“フラッシュスパイラル”の実現によって,従来とはまったく違った大きく2つの臨床上のメリットを得ることができる。その1つが,息止めなしの撮影。ガントリ回転スピードが0.3msから0.28msへと向上したほか,フラッシュスパイラルによって従来よりも収集できるデータの密度が高くなったため,秒間43cmという高速なテーブルピッチが可能となった。これにより,たとえば30cmの全肺を0.6秒,約12cmの心臓なら1/4心拍という,きわめて短時間で撮影することができる。2つめは,心臓CTにおける大幅な被ばく低減。新しい被ばく低減技術によって,デュアルエナジーでありながら,1回の撮影あたりの被ばく線量が,従来の30mSvから1mSv以下にまで低減可能となった。患者さんへのやさしさをコンセプトとして打ち出しており,それを表現する“ヘルシアCT”というキャッチフレーズが紹介された。

 

SOMATOM Definition Flash
SOMATOM Definition Flash


◆ MI 一歩踏み込んだ分子イメージングへの貢献を追究した「Biograph mCT」
   

 MIは,3月から国内での販売を開始したPET/CTの新製品「Biograph mCT」が展示された。mCTのmはmolecularを意味しており,分子イメージングへのさらなる貢献を追究してPETもCTも同社最高クラスのシステムを搭載している。

 PETはtime of flight(TOF)法を採用し,さらには空間分解能を向上したHigh Definition(HD)PETの技術を融合させたUltra HD PET技術によって,画質とコントラストのバランスを取り,より短時間でより高画質なPET画像が得られるようになった。従来よりコンパクトな外観でありながら,開口系は78cmと大きくなっており,患者さんにやさしい装置であると同時に,将来的には放射線治療との連携を考慮し,治療のためのアクセサリをつけたままでも撮影が可能となっている。また,CTの単独使用も可能なため,病院経営にも大きく貢献する。CTは,SOMATOM Definition ASもしくはSOMATOM Definition AS+が搭載され,40,64,128スライスから選択できる。

 

Biograph mCT
Biograph mCT

CT画像とPET画像のフュージョンイメージ。診断能の高さをアピールした。
CT画像とPET画像のフュージョンイメージ。
診断能の高さをアピールした。



◆ AX 多軸血管撮影装置「Artis zeego」と一般撮影装置の新製品「Ysio」を展示
   

●多軸血管撮影装置「Artis zeego」

 AXでは,ITEM 2008でも次世代の血管撮影装置として注目を集めた「Artis zeego」が,今年も引き続き展示の中心となった。8つの関節でCアームのフレキシブルな動きを実現し,頭部からつま先までの全身の撮影が可能である。撮影を行わないときには,Cアームを治療の邪魔にならない天井などにポジショニングさせられるほか,“Large Volume syngo DynaCT”によって最大47cmの大視野なCTライクイメージが得られることから,手術や緊急時でも有用性を発揮する。すでに国内でも,血管撮影装置を外科的な手術に応用する“Hybrid OR”に設置されており,脳神経外科手術と血管内治療とのフレキシブルな融合により,より高度で安全性の高い手術を可能にするなど,さまざまな臨床的メリットをもたらしている。

 さらに今回は,血管撮影をより強力にサポートする,56インチの大型液晶カラーモニタ“Large Display”が紹介された。コントラストに優れ,モノクロ高輝度モニタと遜色のない高画質を実現しているほか,ライブ画像や生体モニタ,PACSの画像,IVUSの画像など全部で21種類の中から選んで,表示面積を変えて自由にレイアウトすることができる。

 

Artis zeego
Artis zeego

Artis zee Large Display
Artis zee Large Display

 

●一般撮影装置「Ysio」

 一般撮影装置は新製品として,臥位のワイヤレスFD(フラットディテクタ)と固定型の立位のディテクタを組み合わせた1管球2ディテクタシステム「Ysio」(イージオ)が展示された。施設の検査ニーズにあったシンプルで簡単かつフレキシブルなシステムを実現できる装置となっている。半切サイズのFDにはワイヤレスLANが内蔵されており,撮影室内での自由な持ち運びが可能なため,2管球システムの持つワークフローを1管球システムで可能にする。具体的には,CRを使用することなく,FDをスタンドに立てたり,患者さんに抱えてもらうなどして,さまざまな体位で撮影することができる。また,管球が電動で動くため,複数体位での撮影の際にも,本体に登録されたプログラムによってボタン1つで自動的にセッティングできるなど,ワークフローを大きく向上する。一般撮影検査はもとより,外傷:救急撮影検査,胸部検診等にも対応できる。

  Ysio
Ysio

◆ モバイル一般撮影装置 ユニークなデザインの「MOBILET XP Hybrid」を展示
   

 MOBILET XP Hybridは,ユニークなキリンのデザインが注目を集めた。特に小児の負担軽減が考慮されており,高出力で短時間での撮影が可能な設計となっている。モーターで走行するが,重量が285kgと軽いため,万が一バッテリーが切れてしまった場合でも,手押しで移動させることができる。また,コンセントにつなげば,バッテリーが切れていても撮影可能なハイブリッド装置となっている。

 

MOBILET XP Hybrid
MOBILET XP Hybrid


◆ 外科用イメージ CTライクイメージで手術に貢献する「ARCADIS Orbic 3D」
   

 ARCADIS Orbic 3Dは,通常の透視像のほか,Cアームで1分間かけて100枚の画像を撮影することで,手術室にいながらにしてCTライクイメージを得ることができる。透視では見えなかったアキシャル方向の画像が手術中に参照できるため,手術時のリスクの低減や再手術の減少に貢献している。国内では,従来システムと合わせて50台以上の稼働実績を誇る。

 

ARCADIS Orbic 3D
ARCADIS Orbic 3D


◆ MRI 70cmのオープンボアと高い画像の均一性を誇る「MAGNETOM Verio」
   

 MRは今回,Tim(Total imaging matrix)コイル搭載の3T MRの新製品「MAGNETOM Verio」が展示された。3Tとしては唯一70cmという広いガントリ開口径と,ガントリ長も最短の173cm を実現し,側臥位や膝を立てた楽な姿勢での撮影が可能になるなど,患者さんにやさしい装置となっている。アプリケーションは,MAGNETOM Trio, A Tim Systemと同じものがすべて搭載されているほか,新たに,非造影での脳のパフュージョンイメージングを可能にする“syngo ASL”が搭載された。また,2つの異なる強さのRFを2つのコイルチャンネルによって独立制御して照射できる“TrueForm”という新技術によって,従来の3T装置で課題とされていた体幹部における画像の均一性が向上した。

  1回のコイルセッティングで全身を一度で撮像できる “Tim”コイルにも,新たに32チャンネルのHeadコイルとBodyコイルが登場した。チャンネル数が従来の2〜3倍になり,従来と同じ撮像時間でも,より高いSNRを得ることができる。

 

MAGNETOM Verio
MAGNETOM Verio

32チャンネルのBodyコイル(上)とHeadコイル(下)
32チャンネルのBodyコイル(上)とHeadコイル(下)


◆ Women’s Health 患者さんへのやさしさと,優れた検査効率をアピール
   
 Women’s Health では,FD搭載デジタルマンモグラフィ「MAMMOMAT Inspiration」,超音波診断装置「ACUSON S2000」と乳がん検診用超音波自動ボリュームスキャナ「ABVS」(Automated Breast Volume Scanner)が紹介された。
 

●マンモグラフィ

 MAMMOMAT Inspirationは,女性へのやさしさを強く意識したデザインとなっており,装置の後ろに設置されたMoodLightの色が自由に変えられることで,患者さんがリラックスして検査を受けられるよう配慮されている。また,直接変換方式フラットパネルを搭載し,短時間での画像の確認が可能であるため,次の撮影までの時間が従来の約半分に短縮された。撮影時には,患者さんに合わせて撮像角度を設定し,ボタンを1回押すだけで次のポジショニングが可能であるなど,高い検査効率を誇っている。

 

MAMMOMAT Inspiration
MAMMOMAT Inspiration

 

●超音波診断装置

 超音波診断装置のコーナーでは,乳がん検診をテーマに,ACUSON S2000と超音波自動ボリュームスキャナABVSが紹介された。スタンド,アーム,タッチパネル,14MHzのトランスデューサーで構成されたABVSモジュールを,ACUSON S2000と組み合わせて使用する。ABVSで必要な範囲設定を行い,スキャンボタンを押すだけで,超音波で自動的に乳房のボリューム撮影を行うことができるほか,両側乳房が4〜5分程度で撮影できるため,従来に比べて検査時間の大幅な短縮が可能である。また,術者の技量に左右されることなく撮影できることから,検診などでは特に有用性を発揮する。さらに,コロナル方向の画像が得られるようになったため,手術時と同じ視野が得られ,術前の治療計画などにも有用性が高い。デジタルデータのため,ワークステーションに保存しておけば,過去画像との比較も可能となる。

 

ACUSON S2000(左奥)とABVS(右)
ACUSON S2000(左奥)とABVS(右)


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