技術解説(シーメンスヘルスケア)

2023年8月号

Women’s Imaging 2023

乳房MRIの高速化,検出能向上を実現するAI技術の拡充

本稿では,乳房拡散強調画像(DWI)において,高速化,検出能向上を実現するAI技術のUpdateについて紹介する。

●Deep Resolve:最先端のAIを用いて開発した画像再構成技術

「Deep Resolve」はAI技術を用いた画像再構成技術であり,ノイズ低減をする「Deep Resolve Boost」と,空間分解能を向上させる「Deep Resolve Sharp」の2種類がある。これにより,SNRが高く,空間分解能が高い画像を短時間で取得可能である。従来,turbo spin echo(TSE)へ適用されていた技術であるが,新たにDWIにおいてもこれらの技術が拡充される。

●Deep Resolve DWIへの期待

乳房DWIの課題として,歪みのアーチファクトや解像度の低さが挙げられるが,Deep Resolve DWIでは,高速化に加えて,アーチファクト低減や病変検出能の向上が報告されている1)
Deep Resolve Boostでは,パラレルイメージングを高倍速に設定してもノイズ上昇を抑えることができるため,撮像時間の短縮と歪みのアーチファクト低減を同時に実現可能である。さらに,Deep Resolve Sharpを併用することで高分解能化もでき,病変検出能の向上が期待できる。図1では,高速化に加えて,分解能,SNRの向上により画質が改善していることがわかり,高速化と病変検出能の向上を両立できるDWIの臨床応用が期待される。

図1 Normal DWI(a)とDeep Resolve DWI(b)の比較例

図1 Normal DWI(a)とDeep Resolve DWI(b)の比較例

 

●参考文献
1) Lee, E.J., et al. : Feasibility of deep learning k-space-to-image reconstruction for diffusion weighted imaging in patients with breast cancers : Focus on image quality and reduced scan time. Eur. J. Radiol., 157 : 110608, 2022.

 

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