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クラウドとモバイル時代に解き放たれる3Dの無限の可能性

【月刊インナービジョンより転載】

■聖マリアンナ医科大学病院での「ZIOSTATION」マクロ機能の活用法
─マクロで大動脈の画像処理を最適化する

聖マリアンナ医科大学病院画像センター 吉川 達生

当院では,大動脈解離,大動脈瘤の患者に対し,術前のCT検査を施行している。CT装置「Aquilion 64」(東芝メディカルシステムズ社製)で撮像したデータは1mmスライス厚0.8mm間隔にて再構成した後,ZIOSTATION(ザイオソフト社製)に転送し,3D画像作成を行っている。

大動脈の3D画像作成では,動脈瘤や解離腔の形状をできるだけ忠実に再現することが重要である。また,瘤や血栓の大きさの評価,分枝動脈と大動脈瘤との関係,さらに,分枝動脈の狭窄病変の有無も意識して画像作成を行っている。

ルーチンで作成している3D画像は,大動脈と骨を加算表示したVR画像,大動脈のMIP画像である(図1)。当院では,ZIOSTATIONの「マクロ機能」を用いて大動脈の観察や3D画像作成を最適化することで,これまで1症例20分程度を要していた3D画像作成が5〜10分程度短縮できた。1日10例ほどの3D画像作成を行っている当院にとって,この時間短縮効果は大きい。

図1 VR画像(a)とMIP画像(b) マクロ機能と操作性の向上で,VR画像とMIP画像の作成が10分程度で完成する。
図1 VR画像(a)とMIP画像(b)
マクロ機能と操作性の向上で,VR画像とMIP画像の作成が10分程度で完成する。

「マクロ機能」は,大動脈のVR画像を作成するために必要な骨除去,プリセットや背景色の適用,最適なレイアウト選択などをマクロ化しておくことで,これらの処理がワンクリックで進んでいく(図2)。普段ワークステーションを使う機会が少ない医師や診療放射線技師でも,操作に戸惑うことなく,ワンクリックで3D画像作成を行うことができる。また,マクロ化された処理が実行されている間は,ワークステーションの前から離れて他の業務を行うことも可能である。救急においては,医師が早期に治療方針などを決める際,「マクロ機能」は大きなアドバンテージとなる。さらに,VR画像の仕上げには多角形ツールで形を整えたり,VR画像のカラーを微調整したりするが,これも通常よく使用するツールを自分が使いやすいよう「パレット」に登録しておくことができるので,手があちらこちらに遊ばず効率的である(図3)。

図2 大動脈観察マクロ処理後の画面 「レイアウト切り替え」「寝台除去」「胸腹部骨除去」「プリセット適用」「コロナル画像の表示」まで,一連の処理がワンクリックで進んでいく。救急での早期診断にはこれで十分である。
図2 大動脈観察マクロ処理後の画面
「レイアウト切り替え」「寝台除去」「胸腹部骨除去」「プリセット適用」「コロナル画像の表示」まで,一連の処理がワンクリックで進んでいく。救急での早期診断にはこれで十分である。

図3 パレットのカスタマイズ例 私の専用パレット。ほとんどこのパレット内ツールで3D画像が作成できる。
図3 パレットのカスタマイズ例
私の専用パレット。ほとんどこのパレット内ツールで3D画像が作成できる。

3D画像作成の手順,方法は人それぞれである。ZIOSTATIONでは「マクロ機能」を上手に使用することで,3D作成の目的や部位に最適化した使いやすいワークステーションとなるため,日常業務に非常に役に立っている。

3D画像作成のポイントは“習うより慣れろ”である。みんなで「マクロ機能」にLet's Try !

(2009年8月号)

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