ziostation2によるCTCの画像解析フロー

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ziostation2 CT大腸解析
ziostation2によるCTCの画像解析フロー

近年、CT装置の進歩はめざましく等方性ボクセルデータの収集も容易に可能となってきた。それに伴いコンピュータの処理能力の向上は画像再構成時間の短縮や三次元ワークステーションでの画像処理の高速化・多機能化をもたらし、大量の薄いスライス厚の画像データからVolume Rendering (VR) 画像やMulti-Planar Reformation (MPR)画像、Curved-Planar Reformation (CPR)画像に代表される三次元画像(3D画像)を後処理で作成し,ルーチンで使用するケースも多く見られるようになってきた。CT Colonography(CTC)においても、4列MSCTでは腹部全体をカバーするにはスライス厚2mmが限界であったが、64列MSCT以上になるとスライス厚0.5mmの撮影が容易に可能となり、描出能の向上とともに大腸疾患の診断手法として注目されるようになった。
そこで本稿では当センターにおけるCTCの画像処理の実際について画像解析フローやソフトウェアの機能を中心に紹介する。

s CTC画像解析の流れ

当センターでは主に、1次スクリーニングを目的としたCTCを2009年より実施している。主な検査フローおよび検査成績については、満崎らの報告1)2)を参照されたい。画像処理および1次チェックに関しては同時進行のため、CTCに従事する診療放射線技師が実施し、最終的な判定を放射線科専門医が行っている。
流れとしては、対象データを読み取り後、まずはVR画像によるair image(注腸X線類似画像)を作成し、拡張不良や残液の程度、壁変形の有無などを確認する。次に、展開画像(Virtual Gross Pathology:VGP)にて疑わしい病変をチェックする。VGP画像では、広範囲の大腸を平面上に展開することで一度に観察可能なため、1画面にて半月ひだごとに隆起性病変や形態異常がないかをチェックすることが容易となる。疑わしい部分をチェックした後、仮想内視鏡像(Virtual Endoscopy:VE)とMPR画像の融合画像にて、肉眼型、大きさの計測などの詳細な評価を行う診断方法を用いている。これらの画像処理手順を、腹臥位および背臥位の2体位で行う。

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s ziostation2 大腸解析ソフトウェアの特徴

ziostation2の大腸解析ソフトは、2体位のデータを読み込むだけで、腹臥位および背臥位の腸管の自動抽出からVGP画像までを自動で表示可能となっている (図1)。その後、VGPで疑わしい病変をマークし、VE+MPR画像にて診断する一連の解析フローがスムーズであるという点が特徴である。
また、従来の解析ソフトではチェックの際1体位ずつしか詳細表示ができなかったため、まず1体位でチェックして、疑わしい病変があった場合は、再度もう1つの体位を表示し直して再読影し、両体位の所見を併せて最終診断するという、若干手間がかかる手順であった。そのため1症例あたり、30〜40分ほどのチェック時間を要した。
最新の解析ソフトでは、同時に2体位比較表示が可能となったため、2体位をリンクして表示させることで非常に効率的なチェックが可能となった(図2)。比較読影レイアウト表示では、VGP画像やVE+MPR画像がほとんどズレのない状態での2体位比較表示が可能で、1例あたり平均15〜20分で、ストレスなく正確にチェックが完了する。
また、現在検証途中ではあるが、残液、残便などを電子的に除去することで大腸内の観察を容易にするデジタルクレンジング機能も搭載され(図3a、b)、病変検出の精度向上や前処置の簡便化に寄与できるものと期待している。

図1 データ読み込み後、大腸のみを 自動で抽出
図1 データ読み込み後、大腸のみを自動で抽出
図2  2体位比較画像 腹臥位・背臥位の2体位をリンクすることにより、効率的なチェックや読影が可能となる。
図2 2体位比較画像
腹臥位・背臥位の2体位をリンクすることにより、効率的なチェックや読影が可能となる。
図3a  デジタルクレンジング前の画像 残液に埋もれて病変が見えていない(←)。
図3a デジタルクレンジング前の画像
残液に埋もれて病変が見えていない(←)。
図3b  デジタルクレンジング後の画像 残液を電子的に除去することで病変の検出が 可能となる(←)。
図3b デジタルクレンジング後の画像
残液を電子的に除去することで病変の検出が可能となる(←)。

 

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s まとめ

以上、CTCついて画像処理フローを中心に概説した。CTCは大腸スクリーニングにおける検査手法の1つになる可能性は十分にあると考えている。CTCのさらなる発展のために、画像処理能力の向上およびワークステーション機能の進化に期待したい。

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●参考文献
1) 満崎克彦・他:CT Colonographyによる大腸がん診断クリニカルレポート(2)─事前説明から検査の実際まで. INNERVISION, 25・11, 84〜87, 2010
2) 満崎克彦・他:CT Colonographyによる大腸がん診断クリニカルレポート(3)─読影から今後の課題まで. INNERVISION, 25・12, 82〜85, 2010.

【使用機器】
CT装置:東芝メディカルシステムズ社製Aquilion64 Super Heart Edition
3Dワークステーション:ザイオソフト社製ziostation2
ガス注入:カイゲン社製注腸用空気注入器(enema teleflator) or 根本杏林堂製炭酸ガス自動注入器(試作品)

(インナービジョン2011年2月号掲載)

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