ホーム AZETechnical Noteさらなる機能向上を遂げた冠動脈解析ソフト
2010年1月号
Cardiac Imaging最前線−最新CTがもたらすイノベーション
近年,CT,MR画像を用いた三次元画像解析は,日常行われている画像診断においてスタンダードとなってきた。これに伴い,三次元画像解析を担う医用ワークステーションも過去10年間で高速に進化し,これまでにあらゆる新機能がリリースされている。AZEの医用ワークステーション「AZE VirtualPlace」も一般的なボリュームレンダリングに始まり,肝臓解析機能,心臓解析機能,COPD解析機能など多くの新機能を提供してきた。しかし,これらの機能を臨床現場から見た場合,ただ新しいだけでは有用と言えず,いかに現場にマッチし,患者のために貢献しているかが重要となる。AZEでは製品の医療現場への貢献度を重視して,各種解析機能の操作性と解析精度の向上を進めている。
●CT冠動脈解析
このたび,新たに機能改善されたAZE VirtualPlaceのCT冠動脈解析機能は,新たな抽出アルゴリズムを取り入れ,心臓抽出,冠動脈抽出機能の精度を飛躍的に向上させることに成功した。
これにより,従来では造影効果が低く血管の抽出が不十分だったデータでも,正常に血管の抽出が行えるようになった。さらに,精度のチューニングでも各医療機関,モダリティメーカーの協力を受け,各モダリティ画像を利用したチューニングを行うことにより,あらゆる医療機関のプロトコールを受け入れやすくなっている。さらに,AZE VirtualPlaceではネットワーククライアント端末でもすべての解析機能を利用することができるため,ユーザーの医療施設内のあらゆる場所で同様の解析機能を使用することができる。AZEでは,これらの品質,機能の精度向上が多くの医療機関の作業効率向上に貢献できることを期待している。
図1 冠動脈抽出結果の比較
従来品(a)では造影効果の低いデータの場合,血管抽出が不十分であった。新しく開発したアルゴリズム(b)では造影効果が低い場合でも血管が正常に抽出されるように精度向上が行われた。