ホーム AZE 別冊付録 Virtual Human & Analysis No.12RSNA2010 世界トップクラスの画像処理速度を誇る 「AZE VirtualPlace FORMULA」を発表
RSNA 2010 SPECIAL REPORT
世界トップクラスの画像処理速度を誇る「AZE VirtualPlace FORMULA」を発表
2008年12月,カスタマーサポートに重点を置いた「AZE of America, Ltd.」をカリフォルニアに設立以降,ネットワーク型WS「AZE VirtualPlace」は,北米進出わずか2年で,すでに160システムが出荷されており,着実に存在感を増してきている。AZE VirtualPlaceが高い評価を得ている理由は,低コスト,かつ使いやすさと高画質・高機能を両立した点にあると考えられるが,今回発表された「AZE VirtualPlace FORMULA」では,これらの利点に加えて,新たに“世界トップレベルのスピード”が加わった。
超高速画像処理エンジンを搭載したAZE VirtualPlace FORMULA |
画像処理速度が大幅に向上した“マルチボリューム” |
■超高速画像処理技術により“あらゆる瞬間に最高の画質を”
AZE VirtualPlace FORMULAは,これまでにない新しい発想に基づく超高速画像処理エンジン「FORMULA」を搭載し,画像表示・処理速度が従来の20倍以上(同社比)と飛躍的に向上した。AZE VirtualPlaceの画像処理速度には以前から定評があったが,FORMULAの開発により,世界トップクラスのスピードを実現したことになる。例えば従来,画像再構成された3D画像をマウスで動かして角度を変える際には,どうしても画質が粗くなる瞬間があった。しかし,AZE VirtualPlace FORMULA では,4D画像であっても解像度が低下することなく,常に最高画質で表示することができる。AZE VirtualPlace FORMULAは,日本においては2010年の国際医用画像総合展(ITEM 2010)で発表され,「あらゆる瞬間に最高の画質を」というキャッチコピーを掲げているが,まさにその言葉通りの製品であると言える。
また,FORMULAの搭載に伴い,画像表示機能を補正したことで,画質も従来より大幅に向上した。3D/4Dの画像処理速度の高速化に加えて,血管,骨,臓器など,複数のボリュームデータを重ね合わせて表示する“マルチボリューム”や,“肝臓解析”などのアプリケーションの処理速度も大幅に向上している。今後は,画像転送速度のさらなる高速化を図り,ITEM 2011で発表することが予定されている。
このほか,肺解析や心臓のソフトウェアもブラッシュアップされ,さらに,アイコンをワンクリックするだけで骨,心臓,大腸,肺,肝臓が自動抽出される新機能“1-Click Segmentation”も登場した。この新しい臓器自動抽出機能は,今後販売される製品に標準搭載される予定である。
新機能“1-Click Segmentation”では,アイコンをワンクリックするだけで臓器が自動抽出される。
ブラッシュアップされた肺解析ソフトウェア |
新開発のiPad用アプリケーションは,画像参照だけでなく,従来のAZE VirtualPlaceのクライアントと同様に画像解析も行うことができる。 |
左から,畦元将吾社長,AZE of Americaの長谷川峰司社長,John Sims氏,Patricia Sweet氏,Randy Owens氏 |
■クラウドサービスに従量課金制を導入
また同社は,医用WSへのクラウドコンピューティングの導入を予定している。“AZE Pay-Per-Use Service(仮称)”では,ユーザはさまざまな場所のインターネットに接続されているコンピュータからクラウドサーバに接続するだけで,従来と同等の画像解析処理が利用可能となる。従量課金制を取り入れたこのサービスを利用すれば,高価なハードウェアに投資する必要がなく,少ないコストで高機能なWSの導入を実現できるようになり,経営面でも大きなメリットとなる。
AZE Pay-Per-Use Service(仮称)は,北米では2011年春から販売を開始し,日本ではITEM 2011での発表が予定されている。
「和」をテーマにしたオリジナリティあふれるブース。ブース内には着物や扇などが展示された。
■グローバルな対応をめざし北米に開発センターの設置を発表
RSNA 2010では,こうした技術的な進歩に加えて,新たに北米に開発センターを設置することが畦元将吾代表取締役社長より発表された。開発の中心は従来通り日本に置きつつも,ボストンに開発スタッフを常駐させ,北米ならではの臨床ニーズにより積極的に対応していく。これにより,今後は北米での開発成果を日本にもフィードバックし,相乗効果でこれまで以上に優れた製品の開発をめざす。また,すでに北米で160システムが出荷されているAZE VirtualPlaceは,日本,北米以外の国への出荷台数も100システムに到達する勢いであることから,ボストンの開発スタッフには世界各国の頭脳を集め,ワールドワイドに対応可能な製品作りに取り組んでいくという。
(2010年11月29日RSNA会場にて:文責 編集部)