ホーム inNavi Suite 東芝メディカルシステムズ Technical Note超音波診断装置「Aplio 500」 ─ 生まれ変わったAplioが,新たな未来を切り開きます
2012年4月号
Abdominal Imagingにおけるモダリティ別技術の到達点
東芝が新開発した超音波診断装置「Aplio 500」(図1)は,4つのコア技術(High Density Beamforming/Realtime Application Platform/High Density Rendering/iStyle+)を特長とした画期的な装置である。
■High Density Beamforming
High Density Beamformingとは,高画質を実現する新画像エンジンである。生体特性(音速など)のバラツキによる方位分解能の劣化を補正し改善する“TSO(Tissue Specific Optimization)”(図2,3)をはじめ,空間/周波数コンパウンド技術により空間分解能を向上させる“ApliPure+”,組織の連続性を高め,コントラスト分解能を向上させる“Precision Imaging”により高画質を実現している。また,腹部エコーにおいて,従来の画質を保ちつつ従来の2倍以上のフレームレートを実現し,小病変の検出能の向上に期待されている。
図2 ビームの絞りを補正し方位分解能を向上させるTSO |
図3 TSOの効果 |
■Realtime Application Platform
Realtime Application Platformとは,高速リアルタイム処理を実現し新アプリケーションを可能とするプラットフォームである。Elastographyをはじめ,びまん性肝疾患の評価に期待される当社独自のASQ(Acoustic Structure Quantification)をリアルタイム化(図4,5)。また,エコー像とCT像/MRI像を連動させ,病変の検出および治療支援に有効な"Smart Fusion"に対応している(図6)。このSmart Fusionは,通常のコンベックスプローブ以外にマイクロコンベックスプローブ,穿刺用コンベックスプローブにも対応しているため,早期発見から治療までを幅広くサポートする(図7)。また,磁気送信機は装置一体型のアームに取り付けるため,省スペースで移動も楽に行える(図8)。これらの機能により,病変の検出および質的診断に期待が持たれている。
図4 Elastography(乳腺腫瘍) |
図5 ASQ(正常肝) |
図6 Smart Fusion(エコー像とCT像を連動させた肝細胞がん) |
図7 Smart Fusionプローブ
図8 スマートな ポジションセンサー
■High Density Rendering
High Density Renderingとは,高速な3D/4DのVolume Rateを実現する新エンジンである。3D/4D画像が高速かつ高画質に得られる(図9)。4Dプローブにより構築した3D画像の管腔を内側から観察する“Fly Thru”は,膵管,胆管,尿管,血管,乳管,消化管など幅広い領域で期待が持たれる新機能である(図10)。
図9 4Dイメージ
図10 Fly Thru
■iStyle+
快適な検査環境を実現するためのエルゴノミクスコンセプト“iStyle+”がさらに進化した。操作パネルやTCS(Touch Command Screen)を自在にカスタマイズしたり,検査部位や体形に合わせた設定変更がワンタッチで行える“Quick Start”,グラフィカルなインターフェースでわかりやすいプローブ切り替えなどで,よりスムーズなワークフローの実現をサポートする(図11〜13)。
図11 自由にカスタマイズできる 操作パネル |
図12 接続中のプローブが写真付きで表示されるTCS |
図13 プローブ交換時にコネクタを やさしく照らすLED |