東芝メディカルシステムズ

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Technical Note

2011年1月号
高次脳機能障害の画像診断:特に認知症,ADの早期発見に向けて

SPECT−認知症診断における東芝技術のアプローチ

超高齢化社会における日本において,認知症の早期診断・早期治療は医療費抑制のためにも大きな課題となっており,総合医用機器メーカーである東芝メディカルシステムズ(株)では,SPECT,PET,MRI等のモダリティにおける認知症診断の信頼性を高めることに取り組んでいます。認知症の早期に出現するアミロイドβや糖代謝異常を検出できるPETも大変重要ですが,日本全国幅広く検査を受けることができるという観点から考えると,脳血流SPECTの統計解析が認知症診断の大変重要な役割を担っていると考えます。
本稿では,当社のデジタルガンマカメラ装置「Symbia E」において,信頼度の高い脳血流SPECTデータを提供するための技術紹介を行います。

●よくデザインされた各種コリメータ

認知症診断で用いられる代表的なRI製剤である123I-IMPでは,123Iの高エネルギーピークからの影響がバイアスとなって検出能を低下させる原因となるため,効果的に高エネルギーピークの影響を低減できる独自のLMEGPコリメータを提供しています。また,統計ノイズの影響を効果的に抑えるために,分解能と感度のバランスを高次元で実現したLMEファンビームコリメータも商品ラインアップに加えています。

●TEW散乱線補正(特許取得)

微妙な血流の変化を検出するためには,散乱線補正が必須であり,有効視野内外からの散乱線の影響を総合的に補正するTEW散乱線補正を採用しています。

●精度の高い減弱補正

散乱線補正とセットで行われる減弱補正においては,正確な補正エリアの設定と均一性の高い減弱補正法が欠かせません。当社では,これらを実現するために全投影方向からのサイノグラムデータを用いた補正エリアの設定や,Chang法による減弱補正の不均一性を大幅に改善する逐次近似Chang法を採用してます。

以上のように,当社は,総合的に信頼度の高い脳血流SPECT画像を提供することに長年取り組んでいます。

*SymbiaはSiemens Medical Solutions USA, Inc.の商標です。

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【問い合わせ先】 医学・PET部 TEL 0287-26-5035