東芝メディカルシステムズ

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Technical Note

2008年2月号
特集−Cardiac Imaging最前線−循環器画像診断の到達点− W Cardiac Imaging最新技術動向−各社モダリティ別技術紹介

SPECT/CT−ソフトウエアによるSPECT減弱補正:SSPAC法の紹介

は,読影の妨げになります。CTと組み合わせたSPECT/CT装置は,このアーチファクトを補正可能なことが主たる特長の1つです。しかしSPECT-CT装置は,(1) 高価,(2) CT操作室が必要,(3) 被ばくの増大,(4) 呼吸によるSPECTとCTの位置ずれによる減弱補正アーチファクト,などの問題があります。
これらの問題を解決する方法として,SPECTのみのデータで減弱補正を行うSSPAC(Segmentation of Scatter and Photo-peak window data for Attenuation Correction)法が,藤田保健衛生大学・前田壽登教授らにより開発されました。
SSPAC法は,SPECTイメージングに使用する光電ピークデータと散乱画像から,体輪郭,肺野,心臓,肝臓の領域を高度な画像処理手法により抽出します。また,縦隔部,背骨には,体輪郭サイズで調整したモデルパターンを使用します。これにより,減弱補正に必要な画像(減弱マップ)を得ます。細かい形態情報は得られませんが,減弱マップとしては十分と考えられます。また,SPECTデータから作成するため,SPECT/CTで発生する位置ずれの問題は生じません。
図1,2に適用例を示します。SSPAC法では,透過型CTに近い減弱マップが得られ,心筋SPECTにおける減弱アーチファクトの低減が認められます。


図1 SSPAC法と透過型CTによる減弱係数マップの形状比較
図1 SSPAC法と透過型CTによる減弱係数マップの形状比較
各画像にSSPAC画像の輪郭を重ね表示しています。

図2 表示正常ボランティアによる評価(Polarマップ)
図2 表示正常ボランティアによる評価(Polarマップ)
SSPAC法による補正で,中隔から下壁のカウント低下が改善しています。


【問い合わせ先】 核医学・PET部