2010年8月号
Women's Imaging 2010最新技術
US−超音波自動ブレストボリュームスキャナ「Automated Breast Volume Scanner:ABVS」
乳房超音波検査は簡便で有用な検査方法ですが,反面,施行者の熟練度により検査所要時間や検査の精度が左右されてしまうという,施行者依存性が存在します。この最大の課題に挑戦するために,シーメンスは新しい超音波検査システムである「Automated Breast Volume Scanner:ABVS」(図1)を開発しました。
●自動スイープ機構
スキャンボックスの内部には,15.4cmのワイドな視野を持つリニア電子スキャンプローブが装着されているため,つなぎ目なく一度に広範囲を見渡すことができます。さらに自動スイープ機能により,連続的に約300枚の横断面像を取得します。
●ボリュームデータセット
ABVSでは,診断に必要かどうかをその場では判断せずに,丸ごと塊(ボリューム)で撮ってしまいます。1回のスキャンにより,15.4cm×16.8cm×6cm(最大深度)の直方体のボリュームデータセットを得ることができます。
●ワークステーションで読影・診断
オンライン接続されたワークステーションでは,取得されたボリュームデータセットをもとにして,縦断面と横断面,それに体表面に平行にスライスした冠状断面を加えた,3断面を同時に観察できます(図2)。さらに,断面の移動や回転も容易であり,納得できるまで何度でもやり直しが可能です。また,ダブルチェックで診断精度を高めることも容易です。
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これらの特長により,ABVSは,超音波装置では初めて,スキャンと読影が分離したワークフローを提供し,施行者依存性を少なくすることに成功しました。 |
図1 ABVS |
図2 専用ワークステーションによる画像表示の例 |
【問い合わせ先】
持田シーメンスメディカルシステム株式会社 マーケティング部 TEL 03-5423-8700