ホーム inNavi Suite シーメンス・ジャパン Technical Note 腹部MRIにおけるsyngoアプリケーションの臨床応用
2008年4月号
Abdominal Imagingにおけるモダリティ別技術の到達点
肝・胆・膵などの悪性腫瘍を中心とする腹部疾患における診断において,MRIへの期待が以前にも増して大きくなっている。 |
■ VIBEの進化 腹部,特に肝臓での造影3D撮像シーケンスとしてVIBEが開発されて以来,臨床応用のための改良が行われてきたが,このVIBEシーケンスにさらに新たな機能が加わった。 |
図1 syngo DynaVIBE 左上:第1相,右上:第2相,左下:第3相,右下:第4相 |
図2 Dixon法 によって作成された画像 |
■ syngo REVEAL + PACE + SPAIR syngoアプリケーションのシーケンスでは脂肪抑制法として,CHESS,WE (water excitation),IR(inversion recovery)などが用意されているが,新しい脂肪抑制法としてSPAIR(Spectrally Adiabatic Inversion Recovery)が各シーケンスにおいて使用可能となった(図3)。SPAIRでは,Adiabaticパルスを使用することによって,B1不均一の起こりやすい部位でも均一な脂肪抑制を行うことが可能である。 |
図3 SPAIRによる脂肪抑制画像(VIBE) |
図4 syngo REVEAL |
■syngo BLADE syngo BLADEは,non-Cartesian k-space trajectoryを行うことにより,体動による画像アーチファクトを抑えるアプリケーションである。BLADEは,多くの撮像方向に対応しており,パラレルイメージングとの併用も可能である。Turbo SEのエコートレインで得られるエコー信号を束にしたものを,ブレード(刃)とし,k-spaceを1回転するように充填していく。ブレードの中心は必ずk-spaceの中心を通り,k-spaceの中心を重点的に加算するため動きのアーチファクトを軽減することができる。また,腹部ではナビゲータパルスによる呼吸同期法であるPACEとの併用によって,モーションアーチファクトをより軽減することができる(図5)。 |
図5 syngo BLADE |
図6 3D-MRCP(syngo SPACE+ PACE) |
図7 syngo NATIVE |
VIBEを中心とした腹部用シーケンスは,新しい技術を加えながら進化を続けている。これらsyngoアプリケーションは腹部での診断をサポートしていくことをめざして,これからも技術開発を行っていく。 |