シーメンス・ジャパン株式会社

別冊付録

座長の言葉

SessionT:Advanced Technologies

市川勝弘(金沢大学医薬保健研究域保健学系)
市川勝弘(金沢大学医薬保健研究域保健学系)

本セッションでは,空間分解能,時間分解能,被ばく低減をテーマに,3名の演者に発表していただきます。CTの開発の方向性については現在,単純な検出器列数を増やす方向での進化がクローズアップされていますが,検出器幅の広いCTはアーチファクト増加や散乱線が避けられないなど,さまざまな問題があり,しかも解決は非常に困難です。しかし,SOMATOM CTはz-SharpテクノロジーやDual Sourceという独自の進化を遂げており,私が見ている限り,臨床医とのディスカッションを重ねた上で,進化の方向性を的確にとらえて開発していることが非常によくわかります。CTは測定器という側面を強く有しているため,アーチファクトが少ない,CT値が正確である,ノイズが少ない,被ばくが少ないといった"まじめな画像"が必要になりますが,本日の発表では,シーメンスCTがまさにその通りの装置であることがおわかりいただけると思います。

SessionU:Cardio-Vascular Imaging

平野雅春(東京医科大学 内科学第二講座)
平野雅春(東京医科大学 内科学第二講座)

「SOMATOM Definition Flash」は,圧倒的とも言える高性能を有していますが,その性能も使いこなさなければ宝の持ち腐れとなります。近年注目されている被ばく低減について,2009年のJournal of American Medical Association(JAMA)に,ユーロ圏内の40の病院における,冠動脈CT施行時のECG modulationや100kV,step and shootなどの使用状況に関する調査結果が報告されました。それによると,使用率については施設間差異が大きく,検査数の多い施設においても必ずしも十分な被ばく低減が行われていないとのことでした。そこで今回は,「SOMATOM Definition Flash」および「SOMATOM Definition AS+」の性能をフルに活用されている4名の演者に,これらの優れた技術を実臨床でどのように有効利用しているのかをご報告いただきます。

SessionV:4 Dimensional Imaging

渡邉嘉之(大阪大学大学院医学系研究科 放射線医学講座)
渡邉嘉之(大阪大学大学院医学系研究科 放射線医学講座)

CT技術の進歩によって,2Dから3D,そして4D Imagingへと,形態情報に加えて時間軸方向のデータ取得が可能となりました。SOMATOM CTには,“Adaptive 4D Spiral"という,連続Spiral Scanによって経時的データを取得し,パーフュージョンなどの機能情報や4D Imagingの取得を可能とする最先端技術が搭載されています。一般的なMSCTでは,検出器幅によってカバレッジが十数cm程度に制限されますが,Adaptive 4D Spiralはその課題を解消し,広範囲の多時相撮影を可能としました。今後,画像診断の流れは,形態画像から機能画像へと進んでいくと考えられますので,実臨床における機能情報の有用性をご報告いただく本日の講演は,大変意義深いものと思われます。

SessionX:Dual Energy Imaging

内藤博昭(国立循環器病研究センター病院)
内藤博昭(国立循環器病研究センター病院)

本シンポジウム最後のセッションは,Dual Source CTの最大の特長であるDual Energy Imagingがテーマとなります。Dual Energy Imagingは,高管電圧と低管電圧のデータを合成したcomposite image,対象に応じて合成の割合を変化させるoptimum contrast,実効エネルギー換算による仮想monoenergetic imageなどを作成する技術の応用や,material decompositionをベースにいくつかのmaterialを区別し強調や除去する,あるいは取り出して分離して表示することで,臨床的な有用性を得ようというものです。本セッションでは,さまざまな部位,疾患で応用されているDual Energy Imagingについて,頭部,消化管,モノエナジー,冠動脈石灰化除去をテーマに,4名の演者にそれぞれの専門領域についてお話しいただきます。

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