ホーム inNavi Suite フィリップスエレクトロニクスジャパン Technical Note フィリップス「iU22」が実現する乳房超音波検査
2012年8月号
Women's Imagingにおける質の高い検査・診断を実現する最新技術
乳腺超音波検査において診断価値の高い画像を描出するフィリップスのプレミアム超音波診断装置「iU22」(図1)の3つの最新技術を紹介します。
図1 iU22
●音速補正機能
Bモードの画質を追究し続けているわれわれにとって根幹的な技術となっている“SonoCT(空間コンパウンド)” “XRES(アダプティブフィルタ)”に加わり,音速を補正する機能が搭載されています。音波が脂肪層を通過する際に起こる伝搬速度低下により,脂肪層の厚い乳房では従来画像に歪みが生じ分解能の低下を招いていました。iU22の音速補正機能“TAC(Tissue Aberration Correction)”では,脂肪の多い乳房,乳腺の多い乳房,それぞれに合わせた音速補正をワンタッチでかけることができ,腫瘤の辺縁や石灰化を明瞭にとらえることが可能となっています。
●エラストグラフィ機能
フィリップスのエラストグラフィは,“Nanometer Tissue Strain Tracking Technology”を採用しています。
この技術は,呼吸による胸郭の動きや心臓拍動によって誘発される微弱な組織の歪みを高感度に検出するもので,繰り返しの圧迫を行う必要がないため,患者に苦痛を与えません。正しいデータを取得できているかの判断をアシストするコンプレッションバーだけでなく,QLAB解析ソフトウエアでもストレイン値やFLR値の変動をBモード画像やエラスト画像と併せて確認することができるため,正確な値を算出することが可能となっています。
●Volume image
超音波診断装置でもボリュームデータを取得することが可能な時代となりましたが,動きの少ない,分解能の高いボリュームデータを取得して初めてボリュームデータの恩恵を受けることができます。フィリップスの「VL13-5」プローブでは短時間で分解能の高いボリュームデータを得ることが可能で,患者や検査者の動きの影響を最小限に抑えることに成功しています。
C-planeや任意の断面で腫瘍の伸展を確認することはもちろん,QLAB解析ソフトウエアより任意の断面の画像を任意の厚さ・枚数で出力したり,自動輪郭トレースによる腫瘤などの容量算出も可能となっており,治療の計画や効果判定にも大きな役割を果たしています。
iU22の乳腺検査における最新の技術について紹介しました。今後も乳房超音波検査の価値を高められるような技術革新を続けていく次第です。