ホーム inNavi Suite フィリップスエレクトロニクスジャパン Technical Note US−乳房超音波検査のための高画質化技術と解析機能
2010年8月号
Women's Imaging 2010最新技術
フィリップスのWomen’s Health Care Cycleにおける超音波診断装置の先端技術や,アプリケーションへの取り組みについて紹介します。 ●Bモード断層画像の高画質化の追求 フィリップスでは,前身のATL社の時代から高画質化を支える技術として,Broadband(広帯域送受信),SonoCT(空間コンパウンド),XRES(アダプティブフィルタ)を備えた装置を市場に提供していますが,最新の「iU22」では,“Tissue Aberration Correction(TAC:音速補正技術)”を搭載し,さらなる高画質を提供します。従来,装置内では生体内の音速は一定の条件のもとBモード画像を構築していました。脂肪層が多い症例では,脂肪と乳腺組織の伝搬音速の違いから鮮明な画像を得られないことがありました。TACはこの音速の差を補正し,脂肪層の多い症例と乳腺組織の多い症例の両方に対応するように設定されています。 ●エラストグラフィ機能 フィリップスではプローブを押すことなく,被検者の呼吸による胸郭部の動きや心拍動によって誘発された微弱な組織の歪みを検出する,Nanometer Tissue Strain Tracking Technologyを採用しています。得られたエラストグラフィ画像から,QLAB解析ソフトウエアの“EQ機能”を使用し,Strain Ratioなどの解析が可能です。 ●Volumetric Imaging フィリップスは,心臓をはじめとする3D/4D技術に定評をいただいていますが,2009年後半に表在・血管向け3DプローブVL13-5をリリースしました。得られた3Dデータは前述のQLABにより,ボリュームデータを任意の方向から任意の感覚でスライスしたBモードを観察する,“i-Slice機能”を用いることで,読影診断のワークフローの向上を図ることが可能となります。また自動/半自動トレースによる容量計測機能により,腫瘍の容量評価も可能にします。
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