2009年1月号
rt-PA時代における急性期脳梗塞の画像診断:標準化に向けて
CT−フィリップス CT perfusion解析ソフト「Advanced Brain Perfusion」
中川 太
CTアプリケーショングループ
CTにおける脳血流解析(CT perfusion)は,その簡便性,緊急性の高さにより,脳卒中の一次検査として今後ますますの普及が期待されている。
フィリップスでは,CT perfusion解析ソフト「Advanced Brain Perfusion」を本体コンソール,自社製ワークステーション「Extend Brilliance Workspace」およびthin clientサーバ「Brilliance Workspace Portal」に搭載が可能である(図1)。
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図1 Perfusion Maps |
Advanced Brain Perfusionの特長
1.操作性
すべての断面像の処理を一度に行え,それぞれの位置ズレ補正もデータ読み込みの段階にて自動的に行い,Perfusion Maps画像の作成まで3クリックの操作で完了となる。また,動脈と静脈の設定も半自動的に行うため,迅速で,個人差によらない再現性の高い検査が可能である。
2.JogScan
「Brilliance CT」には,“JogScan”(オプション)が搭載可能となっている。JogScanでは,連続往復撮影により,検出器幅の2倍の範囲の画像収集が可能となる。256スライスCTでは,最大16cmの範囲を1回の検査でカバーすることになる(図2)。
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図2 JogScan |
3.Summary Map表示
Advanced Brain Perfusionには,“Summary Map”表示機能が標準装備されている。CBF,CBV,およびMTTから梗塞領域と境界領域(ペナンブラ)を想定し,頭部アキシャル断面像上にカラー表示を行う。従来のCBF,CBV,MTTの画像とともに参照することにより,より迅速な診断の手助けになるものと考えている(図3)。
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図3 Summary Map |
4.Brilliance Workspace Portal
Brilliance Workspace Portalは,ネットワーク上のクライアントPCからワークステーション機能を可能とするthin clientサーバである。クライアント数に制限がなく,同じネットワーク環境下であれば,いつでも,どこからでも手元のPCにて脳血流解析が可能である。
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フィリップスでは,“Care Cycle”コンセプトのもと,検査,診断,治療,観察までのフローを考えたソリューションの開発を行ってきた。現在,脳血流解析のさらなる定量性,再現性のため,計算法,表示法の標準化の開発を行っている。
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フィリップスお客様窓口 フリーダイアル:0120-556-494