ホーム inNavi Suite 日立メディコ Technical Note Time of Flight PET「GEMINI TF」
2011年1月号
高次脳機能障害の画像診断:特に認知症,ADの早期発見に向けて
フィリップスは,2006年に世界で初めてTime of Flight機能を搭載したPET/CT「GENINI TF」を製品化。全世界で約250台を出荷しました。 ●Time of Flight機能 Time of Flight(TOF)機能は,検出された一対の消滅γ線の時間差を測定することにより,消滅γ線の発生場所を絞り込むことができます。よって,発生源と考えられない場所に余分な信号がなくなるため,バックグランドノイズが大幅に減少します。 ●Time of Flightの効果(1) TOFの効果で最も重要なものはS/Nの向上です。TOFでは,ノイズを大幅に減少させることとともに,本来の位置に本来の強さで信号を表現できます。そのため,TOFはノイズに埋もれてしまった微小な病変,集積の信号を表現できるようになり,描出能が向上します。 ●Time of Flightの効果(2) 時間分解能が高くなるほど,Effective Sensitivity Gainが向上し画質が安定します。TOF機能は,体格による画質の差が非常に少なく安定した画像を提供します。 ●Time of Flight テクノロジー TOFの効果を最大限に発揮するには,再構成だけでなく,装置を構成する部品,回路などにも高い性能が求められます。TOFの性能を左右する技術として,クリスタル,検出器,PMT,電気回路が挙げられます。 ●時間分解能 495ps GEMINI TFは,クリスタルの発光減衰時間が短く,エネルギー分解能の特性に優れるLYSOを採用。検出器にはTOF効果に特化したPIXELAR検出器,PMTには時間分解能における損失を回避するため,カーブカソードのPMTを使用しています。さらに,大幅にエレクトロニクス部分の改善を行い,時間分解能495psを実現しました。 |