ホーム inNavi Suite 日立メディコ Technical Note 1.5T MRIにおける体幹部撮像技術の進展
2008年4月号
Abdominal Imagingにおけるモダリティ別技術の到達点
1.5T MRI装置「ECHELON Vega」は,静磁場の乱れを高精度に補正するシミングシステム(High Oder Shim System:HOSS)やロングストロークテーブルなどのハードウェアを搭載し,さまざまな高機能アプリケーションに対応している。 |
■ H-sincパルスとTIGRE 体幹部の拡散強調画像(DWI)や造影検査などの画質を向上するためには,均一な脂肪抑制を実現することが重要になる。ECHELON Vegaは,当社オリジナルの技術であるH-sincパルス2)を用いて,脂肪抑制を安定して行える。 1.H-sincパルス 2.TIGRE(W.I.P) |
図1 骨盤部画像例 | |
a:H-sinc併用T1WI |
b:T2WIc:H-sin |
c:H-sinc併用DWI(b=50s/mm2) |
d:H-sinc併用(b=800s/mm2) |
図2 TIGRE腹部撮像例 3D RSSG,FOV=360mm,TR/TE/FA : 4.7ms/1.7ms/12°,脂肪抑制(H-sinc),撮像時間23秒 |
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図3 乳房撮像例 | |
a:T1WI(MIP像) |
b:T2WI |
c:DWI(b=1000s/mm2) |
d:Gd造影早期相後TIGRE(COR断面) |
■ マルチステーション型全身MRIとImage Stitching(W.I.P) 体幹部〜下肢などの広範囲の撮像を行うマルチステーション型全身MRIでは,位置決めや撮像条件変更時の操作性,および画像合成処理が特に重要である。ここでは,全身MRIのユーザーインターフェイス(UI)とImage Stitchingを紹介する。 1.UI 2.Image Stitching 最近開発した撮像技術のうち,体幹部で特に有用と思われる技術についてW.I.P.を含めて紹介した。拡張性の高いハードウェア性能を活用した撮像技術やアプリケーションが,臨床の場でさらなる貢献を果たすことが期待できる。 |
図4 マルチステーション撮像のUIと撮像例 2D BASG,FOV=400mm,TR/TE/FA:4.8ms/2.4ms/90°, Matrix=512×1386,撮像時間2分30秒/ステーション |
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a:合成画像を用いた位置決めUI |
b:下肢非造影MRA |
〈謝辞〉 本技術の開発にあたり臨床面からご指導いただいた,東京慈恵会医科大学附属柏病院放射線部・原田潤太教授に感謝いたします。 |
●参考文献 | |
1) | 西原 崇・他:マルチステーション非造影MRA 画像に対する合成処理の基礎検討. 第15回日本MR Angiography研究会抄録, 16, 2007. |
2) | 阿部貴之・他:B1 insensitiveな脂肪抑制効果を目的としたMultiple Fatsatパルスの開発. 第63回放射線技術学会抄録, 468, 2007. |