日立メディコ

ホーム の中の inNavi Suiteの中の 日立メディコの中の 別冊付録の中の 磁遊空間 Vol.22の中の“Solid Workflow MRI”「ECHELON RX」登場

別冊付録

CURRENT TECHNOLOGY

“Solid Workflow MRI”「ECHELON RX」登場

高磁場MRIの高精度診断画像とシンプルな撮像操作の両立。これまで培ってきた高度なMRI技術と最新のテクノロジーを融合し,ワークフローの向上に着目した,新たな価値を提供する1.5T超電導型MRIシステム「ECHELON RX」(図1)を開発しました。

図1 1.5T超電導型MRI「ECHELON RX」
図1 1.5T超電導型MRI「ECHELON RX」

ECHELON RXの特長

1.Workflow Coil System

ECHELON RXコイルシステム(図2)は,多くの受信コイルエレメントを配置することで,広い感度範囲と高い画像SNRを実現しました。高感度受信コイルを採用しただけでなく,ワークフローまでも考慮した受信コイルシステムです。基本性能に加えて,使いやすさという性能にも着目しました。
また,図3のように脊椎コイルを組み込んだテーブルを採用することで,被検者を寝かせるだけで脊椎の撮像が可能となりました。さらに,頭部用コイルをスライドしてセッティングするだけで,頭部・頸椎の撮像が可能なほか,頭部用コイルをテーブル上に置いたままでの腹部撮像も可能です。これまでのように,撮像部位に応じて受信コイルを準備する手間がなく,スピーディに被検者をセッティングできます。トータルの検査時間を効果的に低減できる,まったく新しい受信コイルシステムです。

図2 ECHELON RX コイルシステム
図2 ECHELON RX コイルシステム

図3 コイルセッティング
図3 コイルセッティング

2.Enhanced Imaging Capabilities

MRIにおいて,最も重要な性能である高い磁場均一度。ECHELON RXは,高精度に調整された超電導磁石に加え,アクティブシムシステム“HOSS”により,FOV500mmの広い撮像空間と高い磁場均一性を実現しました。HOSSは,被検者が入ったことによる磁場の歪みを,高次シムコイルの電流を最適化して効果的に補正することが可能です。

3.Gradient System

ECHELON RXは,高い出力の傾斜磁場電源をコンパクトなユニットに納めました。最大傾斜磁場強度は33mT/m,スリューレートは100T/m/sの性能を持ち,高い傾斜磁場スペックが要求される特殊シーケンスに対応しているだけではなく,ルーチンで使用される撮像においてもその威力を発揮します。

4.New Design Patient Table

新開発のPatient Tableを採用しました。被検者への配慮だけでなく,オペレーターの操作性まで考慮したPatient Tableです。図4に示すように,フットスイッチでTableの上下,前後動作が可能です。これにより,オペレーターの両手がフリーにできるので,被検者へのきめ細かなケアが可能です。造影剤の投与などに有用な,収納式のアームボードも装備しました。

図4 Patient Table
図4 Patient Table

5.“ORIGIN” System Software

高度化するMRIコンソールのキーワードは“わかりやすさ”と“操作性”です。ECHELON RXは,MRIシステムソフト“ORIGlN”で応えます。
MRIの操作は難しいという声を少しでも改善できるように,ORIGINは開発されました。わかりやすい画面表示とユーザーインターフェースは,日本語表示などさまざまな工夫が施されています(図5)。Suggestion UIは,撮像条件を変更するときの条件設定を支援する機能で,設定できない条件が入力された場合,設定可能なパラメータなどの撮像条件を表示します。さらに,その条件における画像SNRや撮像時間などが表示され,MRIの複雑な撮像条件の設定を支援します。

図5 “ORIGIN”System Software
図5 “ORIGIN”System Software

6.Compact Package

コンパクトなシステムの実現は,設置条件を緩和するだけではなく,導入コストの低減にもつながります。図6の新開発コンパクトキャビネットは,一体化の設置も可能なMRIユニットとなっており,専用の機絨室ではなく,操作室への設置も可能にしました。必要な電源容量も,従来装置と比べて約30%低減し,超電導磁石はゼロボイルオフマグネットなので,運転時の液体ヘリウム消費がありません。

図6 コンパクトパッケージ
図6 コンパクトパッケージ

7.Sentinel Customer Support

Sentinelカスタマーサポートは,MRI装置の状態を把握して,常に安定して稼動できるようにサポートするシステムです(図7)。
装置常時監視機能によりSentinelサーバが装置の状況を24時間監視します。Sentinelサーバが装置異常によるエラーを検出した場合,自動通報機能によりサービスサイトにアラートが自動通報されます。これにより,故障の予兆をいち早くキャッチし,迅速に対応することが可能になります。さらに,ダイレクト接続機能により,サービスサイトと装置を直接接続して,異常画像や画像Raw Dataの確認,テストプログラムの実行などが可能です。その際,通信データの暗号化,相互認証通信などにより,被検者の個人情報は保護されます。もちろん,Sentinelサーバおよびサービスサイトでは,画像上での個人情報を認識できない仕組みとなっています。

図7 Sentinel カスタマーサポート
図7 Sentinel カスタマーサポート

▲ページトップへ

目次に戻る