ホーム inNavi Suite 日立メディコ 別冊付録 磁遊空間 Vol.22“オープンMRI”の日立からNewデザイン永久磁石型MRIリリース
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“オープンMRI”の日立からNewデザイン永久磁石型MRIリリース
日立の永久磁石方式オープンMRIシステムは,1996年のAIRISシリーズに始まり,高機能・高画質・高い経済性を備えたMRI装置として世界で高い評価をいただきました。今回,永久磁石型オープンMRIシステムの最新機種として,シャープなNewデザインを採用した「APERTO Lucent」(図1)をリリースしました。APERTO Lucentは,従来のオープンMRIシステムの特長をそのままに,超電導型MRI装置「ECHELON Vega」で開発された新たな機能を搭載しています。
図1 0.4TオープンMRI「APERTO Lucent」
APERTO Lucentの特長
1.オープンデザイン
ガントリにシングルピラーを採用したAPERTOシリーズは,320°の幅広い開放空間が特長です。さらに,ラテラルスライドテーブル(図2)は,300mmの横方向移動がガントリ内にて可能で,被検者を容易に磁場中心にセッティングできます。
図2 ラテラルスライドテーブル
2.新開発ハードウエア
MRIの画質性能に直結する傾斜磁場システムを強化しました(最大傾斜磁場強度:25mT/m,スリューレート:55T/m/s)。
受信コイルもNewデザインを採用しました(図3)。分割構造で,使いやすさとさらなる高性能化を図っています。
図3 Newデザイン受信コイル
3.システムソフト「ORIGIN」
超電導型MRI装置と同じシステムソフト「ORIGIN」を搭載しました。大型ディスプレイの採用により,必要な情報を必要な時に確認することができます。
4.高速画像処理システム
超電導型MRI装置のために開発された高速画像演算ユニットを採用。画像処理系の高速化を図ることにより,今後多用される3D処理など,画像処理の高速化に対応しています。
5.新機能の開発
日立では「超電導型MRIの技術をオープンMRIに」という考えに基づき高機能アプリケーションをオープンMRIに展開します。
モーションアーチファクトを低減する計測法である“RADAR*”は,計測時のデータ取得方法を工夫することで効果的にアーチファクトを分散,低減します。図4にRADARの頭部への適用例を示します。Resolution modeとTime modeの選択が可能で,従来の計測と同等の空間分解能,または撮像時間を選択できます。日立のRADARは適用シーケンスや適用部位の自由度が高い点が特長です。(*オプション)
図4 RADARによるアーチファクト低減効果
6.コンパクト&経済性
オープンMRIの特長であるコンパクトシステムの考えが継承されています。
(1) コンパクトな設置面積
(2) 少ない電源容量および消費電力
(3) 高額な消耗品がなく安定した運用が可能