ホーム inNavi Suite 日立メディコ 別冊付録 磁遊空間 Vol.18 患者さんにやさしい“磁遊空間”を創造する日立メディコMRI 累計出荷台数5000台を突破
MRI History and Future
患者さんにやさしい“磁遊空間”を創造する日立メディコMRI
累計出荷台数5000台を突破
日立メディコMRIが2008年9月,累計出荷台数5000台を突破した。国内はもとより,欧米やアジアを中心にグローバルな展開を図り,“オープンMRIの日立”として不動の地位を築き上げた同社は,さらなる飛躍を図るべく,確かな技術力を背景とした新製品を次々と打ち出し,着実にシェアを伸ばしている。このシェア拡大の歴史は,まさに,より優れたMRI開発への挑戦の歴史そのものと言っても過言ではない。
日立MRIが歴史に初めてその名を刻んだのは,いまから約25年前の1984年のことである。この年,東京女子医科大学に日立製作所製の常電導型0.15T MRI「G-10」が納入され,MRI市場に第一歩を踏み出した。日立製作所が超電導型MRIの開発を進めるなか,同社は85年,永久磁石型MRIの開発に着手し,現在へと続くオープンMRIの礎となった。「MRP-20」(0.2T)を皮切りにMRPシリーズの開発は順調に進み,95年には,初のオープンMRIとして「AIRIS」(0.3T)を発売。広い開口径によって,患者さんにやさしい“磁遊空間”をもたらすオープンMRIの登場によってシェアは飛躍的に拡大し,93年までの約9年間の出荷台数が800台だったのに対して,その後6年間で2200台へと大幅に伸びている。そして,「AIRIS mate」(0.2T),「AIRIS-・ comfort」(0.3T),さらには,初のシングルピラーを実現した「APERTO」(0.4T),「APERTO Inspire」(0.4T),より進化した0.3T MRIの「AIRIS Elite」へと開発が進むにつれ,市場は世界へと大きく広がっていった。
一方,近年ではMRIのニーズは高磁場へと移行しており,1.5T装置が市場の中心を占めるようになった。そこで,こうしたユーザーのニーズに対応するべく,同社も超電導型1.5T MRIの開発に着手。2006年には,充実したアプリケーションと高い操作性を兼ね備えた「ECHELON Vega」を発売した。また同時に,オープンMRIの分野でも革新的な開発が進められ,2008年7月には,まさに“オープンMRIの頂点”とも言うべき装置として,世界初の高磁場超電導型オープンMRI「OASIS」(1.2T)が米国市場に投入された(12〜15ページ参照)。発売から約8か月ですでに約40台を出荷しており,日本国内においても薬事承認を取得。今年(2009年)4月には国内市場に投入される予定である。
オープンMRIで一時代を築き上げた日立メディコMRIは,これからも,独自の製品展開でMRI市場に大きな存在感を示し続けるに違いない。