GEヘルスケア・ジャパン

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Technical Note

2009年8月号
究極のデジタルマンモグラフィに向けて−最新技術解説

DMG−GE FFDM(Full Field Digital Mammography)の技術

三田 恵 / 濱口 ちさ
I&XI営業部

GEでは,他社に先駆け2000年にデジタルマンモグラフィの発売を開始して以来,3500台を超えるFFDM(Senographeシリーズ)が全世界で稼働しており,乳がん死亡の低減に向けて全力で貢献している(図1)。GEは,フラットパネルディテクタ(FPD)および管球を含めた製品の開発から製造までを,一貫して自社で行っているメーカーである。その技術的な特長を紹介する。

図1 Senographe DS LaVerite
図1 Senographe DS LaVerite

●技術的特長

1.信頼性・安定性
GE FPDが採用しているのは,CsI(セレニウム)間接変換方式であり,高電圧を用いないことで耐久性と安全性を高めている。また,Se(セレン)に比べてCsIは,耐熱性に優れているだけでなく,温度変化への耐久性が直接変換方式に比べて非常に高い。ここ10年間で出荷したGEマンモグラフィ用のFPDの96%が,現在も交換することなく稼動していることが,安定性・耐久性を示している。一例を挙げると,検診バスという厳しい環境においても,「Senographe2000D」は安定稼働しており,すでに日本国内において20台以上が稼働し,バス検診の効率を格段に向上させている。このような実績からも,GE FPDが温度や振動への耐久性が高いことが裏づけられる(図2)。

図2 FFDM搭載検診バス
図2 FFDM搭載検診バス

2.スループット・コストパフォーマンス
検査においては,検査前の準備も含めたトータルな時間短縮が重要である。例えば,5分程度と非常に短時間でシステムが立ち上がること,撮影におけるサイクルタイムが約10秒であることが挙げられる。さらに,システムの操作性も良く,1台のSenographeで1日100件の検診を行っているケースもあり,コストパフォーマンスの高さを証明している。

3.高画質
GE独自のモリブデン・ロジウム二重陽極を持つX線管球(GE特許)および間接変換方式FPDにより,高いDQEを実現している。GE独自のロジウム二重陽極は,日本人に多いと言われるデンスブレストに対して,特に高コントラストを保ちながら被ばく線量の低減が可能である。さらに,画像復元化処理“Fine View”により,高画質画像を得ることができる。また,撮影時の自動最適化撮影モード(AOP)および,瞬時に乳房を最適化表示するPremium View(PV)を装備しているが,2009年には新たに日本人に最適なモードをリリースした。


4.デジタル拡張性
GE CADの国内稼働実績は60台以上と,国内のCADの実績は市場において非常に高いシェアを占めている。撮影された画像はCAD本体に自動転送され,関心領域に,石灰化の疑いおよび腫瘍の疑いのある領域にマークが付き,すぐに観察可能となるため,読影の効率アップと見落としによるリスク低減に大きく貢献している(図3)。
また,デジタル化により院内の電子カルテやPACSにのみならず,連携病院とのデータや情報を交換することが可能であり,乳がん診療における地域医療に貢献ができる。

図3 CAD
図3 CAD

GE FPDは,世界ですでに1万5000枚以上が出荷されている。さらに,需要拡大と先進技術の開発への対応のために,FPD生産工場の増築およびグローバルリサーチセンターの設立を行っており,今後も,全世界においてFFMDのマーケットを牽引し,医療に貢献していきたい。



【問い合わせ先】 I&XI営業部  TEL 042-585-9370