SPECT の更新に当たり、装置の選択肢は大きく3つでした。
(1) ガンマカメラのみの装置
(2) 吸収補正用CTを備えたガンマカメラ
(3) 診断用CTを備えたガンマカメラ
前回更新から18年目にしてやっと訪れた更新のチャンスであり、次の更新までも同様の期間になるものと考え、約8か月かけて慎重に機種の選定を行いました。その際、放射線科と事務部からは以下のような要望がありました。
●放射線科の要望
・ CT付きの装置がほしい(診断能を上げたい)
・ 放射線科医の仕事量の増加は極力抑えたい
●事務部の要望
・検査件数を増加したい
・初期導入コスト、ランニングコストの低減
・装置は1台
第1に考えたのは、やはり“CT付きであること”でした。RI の機能診断にCT の形態診断が加わることで、確実に診断能が向上すると考えました。併せて、CTによる吸収補正マップを用いて吸収補正ができるので、画質の向上にもつながります。“診断用CTの搭載”も検討しましたが、被ばくの面と放射線科医の仕事量の増加を考えると、“吸収補正用CT”が第一候補になりました。吸収補正用CTの画像(140kV、2.5mA、14sec/slice)は低線量ながら満足のいくもので、位置確認をするには十分なものでした。CT の管球の負担が少なく長持ちするということで、ランニングコストの面もクリアされました。
第2に考えたのは、検査件数を増やすことです。装置が2台から1台になりますが、タイムスケジュールを変更することで、いままで行っていた検査数はこなせると考えていました。その上で、いままでできなかった新しい検査がで可能になれば、検査数は増加するはずです。特に、件数の落ち込みが大きかった腫瘍領域の検査の増加につなげることを考えたときに、選択肢として上がったのが「Infinia8 Hawkeye4」でした。 |