マンモグラフィはGE社製「Senographe DS LaVerite」(図5)を、超音波診断装置は同じくGE社製の「LOGIQ E9」(図6)と「LOGIQ 7」を採用した。Senographe DS LaVeriteは、スクリーニングからステレオ生検までのあらゆる乳房画像診断に対応できる、フラットパネルディテクタ(FPD)を搭載したフルデジタルマンモグラフィである。撮影においてはスループットが良く、1人あたり従来の装置の半分程度の時間で終了できる。なお、唯一同装置に搭載されているモリブデン/ロジウムの二重陽極(GE特許)と、新開発のFine View技術によって、低被ばくでも高画質画像が保証されている。ステレオ生検においては、精度が高い位置決めシステムと、側臥位での検査を可能にするDBIテーブルとの組み合わせにより、被検者の安定した体位で、正確かつ効率的に検査することが可能となった。加えて、ステレオ生検時の視認エリアが広いため、穿刺方向を縦横両方向から選択することもできる。これにより、最も傷の目立たない方向から、また、施行者が最もアクセスしやすい方向からアプローチすることも可能である。
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図5 Senographe DS LaVerite |
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図6 新しい愛機 LOGIQ E 9 と筆者(水谷) |
ところで、DSとはフランス語で“女神”、LaVeriteは“その真実”という意味なのだそうだ。良性か悪性か、真実を追究するための質の高いバイオプシーの実現を目指したGE社の意気込みが強く感じられるネーミングである。周知のように、うつ伏せで施行するステレオバイオプシー装置は専用装置であり、相当高価な上に、かなりの占有スペースを要する。一方、座位で受けるステレオ生検は、被検者の精神的・肉体的負担が軽視できないため、どちらも一長一短があった。しかし、Senographe DS LaVeriteでは、側臥位でのステレオ生検という独自の手法で明快な答えを出した。今後、MBCCで多数の症例を蓄積し、同装置の有効性について報告したい。
次に超音波について、筆者はこれまでに愛知県がんセンター中央病院で「LOGIQ 700」を、続いて同愛知病院では「LOGIQ 9」を愛機として使い込んできた、いや戦友としてまさに乳がんと闘ってきたという深い思い入れがある。LOGIQ E9はこれらの後継機種であり、図6のように、とてもコンパクトながらGE社の誇る最新のフラッグシップマシンである。同装置では、浅部から深部まで均一な画像が得られるビームフォーマーと、プローブの広帯域、高感度を実現するAcoustic Amplifier技術により、さらなる高画質が実現されている。また、人間工学的にも検査担当者に優しい設計を採用し、操作性にも最大限の配慮がなされているようだ。加えて、筆者もこれまで高く評価してきた、厚み方向のビームを制御するマトリクスアレイプローブや、保存画像からでも加工が可能なRAW Data技術も踏襲されており、完成度の高い装置に仕上がっている。これらの選定は、クリニックを受診される患者およびスタッフに対し、その期待と責任に応えるべく内容を徹底的に吟味し追究した上での選択であり、必然的結果と考えている。 |