当院では、イメージインテンシファイア(I.I.)装置時代から、より的確な脳血管内治療を目指し、3D画像を活用して動脈瘤の形状の把握や瘤の定量解析、ネック部の詳細確認などに大いに活用してきた。約10年近くにわたる旧装置の使用経験を経て、今回の装置導入に至ったわけであるが、まず、3Dの画質そのものが飛躍的に向上したことは大いに評価できる。微細な穿通枝をも明瞭に描出できる高画質な3D画像を基に、適切なワーキングアングルを決めることができ、その角度をCアームに自動転送できるので、円滑に脳血管内治療を行うことができる。
また、2つのモニタを用いて画面表示を自由にレイアウトし、異なる3D画像や各断面画像を表示できる機能も重宝している。例えば、1画面にVolume Renderingの3D画像を表示してワーキングアングルを決定し、もう1画面には透過モード(Transparency)の3D画像を表示して動脈瘤のネックの具合いを詳細に観察し、距離計測することができる。特に、透過モードの3D画像の画質はきわめて良好であることも、評価できるポイントである。
さらに、ワークステーション(Advantage Workstation VS2)では、3D画像のみならずDSA画像も表示できるほか、院内のMR、CT装置とも接続されているため、必要に応じて他のモダリティ画像を迅速に見ることができるので非常に役立っている(図3、4)。学会発表に必要な静止画や動画が、USBメモリに簡単に保存できる機能もとても便利である。 |