医療のIT化においては、高額な導入コストや、院内にITの専門職がいないなど、さまざまな課題がある。一方、マンモグラフィのデジタル化とソフトコピー診断への移行は確実に進んでおり、2008年度の診療報酬改定では、デジタル映像化処理加算が廃止される方向で減点されたのに対し、電子画像管理加算が新設された(図1)。
こうした状況の中、特別医療法人博愛会 相良病院では、2003年から段階的にIT化を進めてきた。当院は、乳腺専用病床60床を有する乳がん専門病院であり、1日約300人が受診する。院内のIT化においては、まず、2003年にデジタルマンモグラフィ(FFDM)とCADを搭載した検診バスを導入。2005年には専属のSEを採用し、電子カルテを導入した。また、2006年に施設検診マンモグラフィがフィルムレス、ソフトコピー診断へと移行したほか、2007年からは遠隔読影システムの運用を開始している。2008年には乳腺科外来もソフトコピー診断となり、さらにはマンモトーム生検が可能なGE社製Senographe DS LaVeriteを導入。外来を含む日常診療のすべてがソフトコピー診断を中心とした体制へと移行した。 |