子宮がん、卵巣がんのFDG-PETは、卵巣がんの病期診断では試験開腹よりも劣るというデータがある一方、再発診断には非常に有用であるとする文献も多い。また、原発腫瘍の鑑別が困難なことが多く、良性腫瘍や嚢胞性腫瘍への集積が低い場合もあり、広がりや臓器浸潤がわかりにくいことからMRIが必須となる。
子宮頸がんのメタアナリシスでは、PANが84%、Pelvicが79%の感度で検出でき、子宮体がんのリンパ節診断では、70〜90%の感度を持つが、1cm以下の腫瘍は検出率が低い。また、子宮体がんや卵巣がんの再発診断では90%前後の感度がある。CA-125が陰性でも感度が54%あり、CA-125が陽性の場合は、他の検査で検出できない腫瘍をかなりの確率で検出できる。
例えば図1の子宮頸がん症例では、原発巣のほかに骨盤内にリンパ節転移があることがわかる。PET/CTでは、このような微小なリンパ節転移も検出でき、診断がつきやすい。子宮体がんの骨転移もきれいに描出することができる(図2)。再発が疑われる場合に意外に多いのが骨転移であり、骨シンチを施行してもわからなかった病変がPET/CTを撮像すると検出できることがある。
図3は、卵巣がんの腫瘍マーカー上昇例である。この症例はCA19-9が上昇し、CTとMRIを数回施行したが、異常が認められなかった。PET/CTを施行したところ、腹部に集積があったが、PET画像だけでは病変部を特定できず、CT画像との重ね合わせにより、腹壁に結節があり、転移していることが判明した。このように、腫瘍マーカーが上昇しても他検査で検出できなかった症例で、PET/CTで再発の診断がついたものは、当クリニックにおいて約5割あった(図4)。また、再発部位としては、リンパ節転移、腹膜播種などが多い。 |