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GEのWomen's Healthcare

 

乳がんのチーム医療に取り組む
聖路加国際病院ブレストセンター
 聖路加国際病院は1902年、キリスト教精神の下、患者中心の医療と看護を行うことを目的に、米国聖公会の宣教医師、ルドルフ・トイスラーによって創設された。1992年には、現在地である東京都中央区に、病床数520床、診療科目28科の新病院を設立している。
 2005年5月には、日本国内では先駆的な取り組みとなる、乳がんのチーム医療に取り組むブレストセンターを設立し、大きな注目を集めた。乳腺外科医の中村清吾センター長を中心に、形成外科、乳腺腫瘍内科、放射線科など関連各科の医師、看護師、診療放射線技師、がん領域専門薬剤師、ソーシャルワーカーなど、乳がんの診断・治療の専門家が一丸となって診療にあたっている。
 診療内容は、1)乳がん検診の二次精査、2)乳房腫瘤の良悪性鑑別診断、3)早期乳がんの治療、4)進行乳がんに対する術前化学療法、5)再発乳がんの治療、6)家族性乳がんカウンセリングクリニック、7)臨床試験、臨床治験などへの積極的な参加による先端医療の提供、8)米国M.D.アンダーソンがんセンターとの姉妹病院提携を通じたセカンドオピニオンの実施で、常に最先端医療に取り組み、年間約600件の乳がん手術のうち、約80%で乳房温存療法が行われている。
 

 

  ●聖路加国際病院
住所:〒104-8560 東京都中央区明石町9-1
TEL 03-3541-5151(代)
FAX 03-5550-2051
URL http://www.luke.or.jp/
URL http://www.luke.or.jp/shinryo/20_breastcenter.html(ブレストセンター)


乳がんのチーム医療が行われているブレストセンター


放射線科受付


予防センター内にあるマンモグラフィ撮影室の中待合室。GE社製のデジタルマンモグラフィ「Senographe 2000D」2台が設置されている。


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すべての方に最良の画像を提供することが一番大事です。それを心がけることが技術上達の秘訣と考えます






読影中のブレストセンター所属の放射線科医・菊池真理先生

X線マンモグラフィ
●小山智美先生(診療放射線技師:放射線科チーフ)
 聖路加国際病院では、GE社製アナログマンモグラフィ 装置が2台(Senographe DMR、800T)、デジタルマンモグラフィ装置(FFDM)「Senographe 2000D」が2台、合計4台のマンモグラフィ装置が稼働しています。「Senographe 2000D」は聖路加国際病院附属クリニック・予防医療センターで健診に使用しています。
 FFDMのメリットは、フィルムカセッテの入れ替えや現像等の画像処理がなく、瞬時に画像を確認できるため、検査時間が従来の約半分になるなど、スループットが大幅に向上することです。また、読影はモニタで行いますので、フィルムの保管場所が不要になったことも大きなメリットです。
 モニタ診断の場合、診断時に画像を拡大したり、濃度・コントラストを変えながら観察することができるため、当初懸念されていた微細石灰化の観察にも問題なく使用されています。  
 撮影した画像は、医師と技師が単独に一次読影を行い、その後、医師の二次読影、さらに、医師と技師が一緒に三次読影を行うという、トリプルチェックシステムを実施しています。また週に1回、放射線科の角田博子医長を中心に診療放射線技師、臨床検査技師が集まり、症例検討を行うことで技術・知識のレベルアップを図っています。  
 当院には女性診療放射線技師が16名おり、乳房撮影担当に9名、放射線治療に3名、CT・MRIに3名が配置されています。女性技師は各部署で必要とされており、職場において男性技師と同数になることを望んでいます。

HISからオーダが入ると、画像収集ワークステーション(AWS:Acquisition Workstation)に患者情報が表示され(1)、曝射が可能になります(2)。撮影後、ワークステーションのモニタで検像し、PACSサーバと撮影室内にある読影端末(RWS:Review Workstation)に送信します(3)(4)。技師が画像を確認後、読影室のRWSにデータを送り読影します。

スループットが大幅に向上するデジタルマンモグラフィ「Senographe 2000D」
「Senographe 2000D」は、2000年に認可された世界初のFPD搭載フルフィールドデジタルマンモグラフィ。乳房撮影に最適な撮影条件を自動で設定する、GE社独自のフルオート条件設定機構AOP(Autmatic Optimization of Parameters)を搭載し、一般X線マンモグラフィでは必要な乳腺の位置合わせが不要になる。撮影後は約10秒で画像収集ワークステーションに画像が表示され、その場で確認できるため、再撮影の要・不要の判断も容易に行える。また、フィルムカセッテの入れ替えや現像などの手間が不要で、検査時間が一般X線マンモグラフィの約半分にあたる4〜5分程度になるなど、スループットが大幅に向上する。

乳がんの見落としを低減し読影医を支援する「Senographe 2000D用CAD」(オプション)
「Senographe 2000D用CAD」は、GE社独自のアルゴリズムに基づいて左右の乳房画像を自動解析し、病変の疑いのある部位についてはモニタ上でマークを表示する。これにより、読影医の乳がんの見落としを低減し、より迅速で正確な診断が可能になる。

「Senographe 2000D」
乳がん検診と生検の二役を可能にする「Senographe DS」
「Senographe DS」は、FPDを用いたデジタルバイオプシーを搭載可能なデジタルマンモグラフィ。乳房撮影だけでなく、生検中の撮影にも対応する。2000D同様、デンスブレストに対する低被ばく・高コントラストの検査を可能にする。

患者さんの負担を大幅に軽減する「Senographe DS用デジタルバイオプシー」(オプション)
FPDを用いたデジタルバイオプシーは、ステレオ装置の脱着が容易に行える。生検中に「Senographe DS」で撮影しリアルタイムに画像が確認できるほか、刺針も縦・横方向からのアプローチが可能で、患者さんにとってもっとも有効なアプローチ方向を選択することができる。通常の生検では40分程度かかっていた検査時間も約半分に短縮でき、患者さんの負担を大幅に軽減することができる。
「Senographe DS」


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MRマンモグラフィ
●鈴木弘和先生(診療放射線技師:放射線科チーフ)
 聖路加国際病院では現在、3台のMRが稼働しており、そのうちの2台はGE社製です。GE社のMRは新病院が開院した約13年前に導入し、アップグレードを重ねて、コイルは現在最新の「Signa HD 1.5T」になっています。 
 開院当初からGE社の全面協力を受けながら、中村清吾先生と一緒にMRマンモグラフィの研究に取り組んできました。GE社にはブレスト専用コイルや乳房検査専用アプリケーション「VIBRANT」がありますので、乳房の撮像はほぼすべて「Signa」で行っています。
 当院では現在、週に約20人の乳房撮像を行っています。MRマンモグラフィを始めた当初は、撮像時間が1人約1時間かかっていましたが、現在では約20〜40分に短縮されています。撮像法は患者さんの状況によって変わります。1)術前には、脂肪抑制T2強調画像、ディフュージョン画像、造影前後の3D 画像、VIBRANT、2)ケモセラピー(化学療法)中の評価には、造影前後の3D 画像、3)ケモセラピー後の評価には、造影前後の3D 画像とVIBRANT、4)両側評価には、造影前後のVIBRANT、の4パターンです。
 MRマンモグラフィのメリットは、1つにはコントラストの良さがあります。また、造影剤を使うことで、腫瘍などのさらに小さな染まり具合も見られますし、FOVを広げることで、1つの画面で腋窩まで撮像することも可能です。また、MRマンモグラフィ専用のコイルがあるのはGE社だけですので、これも大きなメリットです。今後は乳房のMRスペクトロスコピーが可能になるようですし、さらにMR下で収束超音波治療(FUS)などもできますので、これから乳がん治療の幅が大きく広がるものと期待しています。

世界で唯一のTwin Gradientを搭載した「SIGNA EXCITE 3.0T」
2005年に日本で初めて薬事承認された3.0T MR「SIGNA EXCITE 3.0T」。世界で唯一の2組(Twin)の傾斜磁場システムを搭載することで、高傾斜磁場強度・高S/Nで、局所精査だけでなく、全身広範囲撮影が可能となった。3.0T装置でありながら、最新型1.5T装置とほぼ同サイズを実現している。

「SIGNA EXCITE 3.0T」
Signaシリーズの最上位機種「Signa HDx3.0T/1.5T」
SIGNA EXCITE HDシリーズの性能をさらに強化・拡張した、Signaシリーズの最上位機種。簡単な操作で高画質を実現し、3D撮像で使用される新たなパラレルイメージング法であるGEM(Generalized Encoding Mtrix)によって、撮像時間を延長することなくS/Nを向上させる。
「SIGNA EXCITE HD 1.5T」
部位を選ばない全身検査を可能にする「SIGNA EXCITE HD 1.5T」
撮像部位ごとに最適化されたアプリケーションとコイルによって、部位を選ばない全身検査を可能にしている。特に、乳房検査専用アプリケーション「VIBRANT」と「HDオープンブレストコイル」では、3D thin sliceによるアキシャル像、サジタル像で、両側の乳房を一度で撮像することができるため、病変の見逃しの低減にもつながる。また、GE社独自のデュアルシム機能による左右の乳房の均一な脂肪抑制が可能で、脂肪ムラの少ない高分解能な画像を得ることができる。
「Signa HDx3.0T/1.5T」
機械室が不要なMR「Signa HDe」(1.5T)
「Signa HDe」は、エレクトロ部品をシングルキャビネットにまとめ、かつ静音化を図ったことで機械室が不要になった。そのため、レイアウトの自由度が高まり、1.5T装置でありながら、最小30平方メートルのスペースへの設置を可能にしている。また、低ランニングコストでありながら、両側の乳房を一度で撮像可能な「VIBRANT」などの最新アプリケーションを備えることで、高いイメージクオリティを実現している。
「Signa HDe」


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その他のモダリティ
US MDCT PET-CT
「VOLSON 730 Expert」 「LightSpeed VCT」 「Discovery ST Elite」、「Discovery ST」、「Discovery LS」
「Voluson 730 Expert」
「VCI C-Plane」搭載により、プローブ表面と平行する、任意の厚みを持った断面をリアルタイムで画像化できるため、従来の2D画像に比べコントラスト分解能の高い情報をより多く得られる。
超音波診断装置「Voluson 730 Expert」は、マンモグラフィと組み合わせることで、より検出率・診断精度の高い乳がん検査が期待される。
「LightSpeed VCT」
低被ばくでも高画質画像が得られるMDCT「LightSpeed VCT」は、CT Breast Angiographyによって主病巣や転移病巣の把握、周辺臓器との位置関係の把握が可能なため、乳がんの術前シミュレーションに有用である。
「Discovery ST Elite」、「Discovery ST」、「Discovery LS」
FDGによるPET-CT検査は、一度で全身の検査が可能である。GE社のPET-CTは、BGOクリスタルを搭載した超高感度検出器により、FDGが低投与量でも高画質を得ることができる。乳がんにおいては、腋窩リンパ節転移や遠隔転移の診断、病期診断、がんの悪性度診断に有用性が高い。

●お問い合わせ先
GE横河メディカルシステム
カスタマー・コールセンター 0120-202-021
http://www.gehealthcare.co.jp/