Spring of 2011—モダリティWeb展示会

リアルビジョン

病院環境や用途,予算に応じ最適で安定した表示環境を実現

リアルビジョンは,メディカルイメージングの表示部分にかかわるハードウエアからソフトウエアに至る製品群を用意し,表示ソリューションを提供しています。「VREngine」(表示ボード),高精細モニタ(WIDE社製),「FVT」シリーズとモニタ管理ソフトなどにより,さまざまな病院環境や用途,予算に応じた提案を行い,最適で安定した表示環境を実現します(図1)。デジタル医用画像の表示にかかわるご相談をお待ちしています。

図1 リアルビジョン製品ラインナップ
図1 リアルビジョン製品ラインナップ

●UMDシリーズ(表示ボード)
LumiCal Advanced(モニタ管理ソフト)
表示ボードとモニタ管理ソフトの組み合わせでデジタル医用画像表示を最適化

さまざまなモダリティを使用した画像診断が一般化し,医療機関のIT化が進むとともに,デジタル医用画像による診断や,参照が必須になりつつあります。それとともに,より適切なデジタル医用画像表示が必要とされるようになってきました。フィルムの場合には,基本的に同じ品質での画像参照が可能でしたが,デジタル化されてLCDモニタ上での表示が一般化している現在,ITシステム上での表示品質の確保が課題となっています。多くの場合,表示を行うLCDモニタに目が行きがちですが,適切な表示のためには,表示ボードやキャリブレーションを含むモニタ管理についても目を向ける必要があります。これらの使用の仕方によっては,画像診断や参照において支障が起こる場合もあります。ここでは,当社が提供する表示ボードとモニタ管理ソフトが,デジタル医用画像表示において果たす役割を説明します。

医療用多画面表示ボード「UMD2」「UMD5」

UMDシリーズは,デジタル医用画像表示を目的として開発された,高解像度,多画面出力対応の表示ボードです。医療機関では,PCを使用したデジタル医用画像による診断や参照が一般化しており,画像参照が行われる際には,複数台のモニタが接続される場合が多くあります。電子カルテと画像参照を行う端末では,1台をランドスケープ表示として電子カルテの表示を行い,2台をポートレイト表示として医用画像の参照ができるようにしています。つまり3台のモニタを接続し,用途に応じて個別に制御することが求められます。このような構成は,病院の診療室や看護ステーションで実際に多く使用されています。UMDシリーズでは,3モニタ構成の表示を1枚のボードで行うことができます(図2)。従来の紙ベースのカルテとフィルムを参照するためのシャウカステンが,3台のモニタに置き換えられた医用画像表示システムです。

図2 3面表示の例
図2 3面表示の例

UMDシリーズの特徴
・ロープロファイル・ボード
UMDシリーズは,省スペース型のPCで使用可能な,ロープロファイル形状で供給されます。医療機関ではかなりの数の端末を使用するため,低価格で省スペースのPCの必要性が高く,UMDシリーズは,ロープロファイルでありながら3画面表示が可能であり,前述した3画面表示のニーズを省スペース型のPCで実現できます。
・高解像度・高階調表示
UMD5では,パックドピクセル形式をサポートしており,医用画像で特有の3M〜5M画素の一般X線装置やマンモグラフィのグレイスケール画像表示に対応しています。12ビットまでの高階調表示も可能で,高精細医用画像表示の要件を満たしています(10ビット階調以上の表示はアプリケーション対応が必要)。
・多画面表示
UMD5は,最大5Mピクセルのグレイスケール画像を,UMD2は,最大WUXGAのフルカラー画像を3面同時表示することができます。アナログVGA出力にも対応しています。
・高信頼性,長期サポート
UMDシリーズは,医療用ボードとして十分な信頼性と表示品質を実現できるよう設計されています。ドライバサポートを含め,必要なサポートを提供することで,医療用ボードとしての品質を保証します。また,ボードの長期供給と長期補償(最長5年間)を行います。

UMDシリーズでは,2種類のボードで構成されます(図3)。UMD2では2.3Mピクセルまでのカラー画像表示をサポートし,3画面表示ができます。UMD5ではパックドピクセル形式を使用して,5Mピクセルまでのグレイスケール画像表示をサポートし,3画面表示ができます。

図3 UMDシリーズの概観
図3 UMDシリーズの概観

モニタ管理ソフト「LumiCal Advanced」

LumiCal Advancedシリーズは,当社が供給する医用画像表示用製品に対応した,モニタ管理およびネットワーク管理のためのソフトウエアです。デジタル医用画像参照では,同じ画像を違った場所や時間に表示させても,均一な品質で診断や参照が行えるよう,表示する画像を常に高い精度で再現することが必要です。また,病院などでは,多くの台数の医療用モニタが同じ品質で表示を行い,問題が生じていないかを監視することも必要です。UMDボードを搭載したシステム上でこれらの機能を実現するLumiCal Advancedシリーズは,以下の機能を有しています。
(1)DICOMキャリブレーション
(2)ユニフォーミティ補正
(3)QCテスト
(4)自動キャリブレーション
(5)ネットワーク管理

DICOMキャリブレーション

グレイスケールのデジタル医用画像を表示する際の輝度の特性曲線は,DICOMによって定められています。DICOMの定める特性では,デジタルの入力に対して人間の目で見た輝度の変化が一様に変化することが要求されます。デジタル入力が0のときと1のときの輝度の差と,デジタル入力が254のときと255のときの輝度の差が同じように見える必要があります。しかし,LCDの各ピクセルをドライブしているDACの性能は,この条件を満たせません。そのため,表示ボードまたはモニタがルックアップテーブル(LUT)を持ち,デジタル入力を適切なDACの入力に変換することで校正を行い,DICOMが定める特性曲線を出せるようにするのがDICOMキャリブレーションです(図4,5)。

図4 輝度センサーによるキャリブレーション中の例
図4 輝度センサーによるキャリブレーション中の例

図5 キャリブレーション機能の効果
図5 キャリブレーション機能の効果

ユニフォーミティ補正

LCDパネルの輝度特性は,中央部と四隅で大きく異なるなど,パネル上の位置によってばらつきがありますが,これを低減しパネル上の位置によらず均一な輝度特性を実現するための機能がユニフォーミティ補正機能です。特に,最近急速に普及している横長モニタや大型高解像度のLCDモニタでは,LCDパネルの外周部分(四隅)での輝度低下が発生する場合があり,これを中央部分の輝度と補正する必要があります。

QCテストについて

病院や診療所で使用されているLCDモニタが,医用画像を見るのに適しているかを客観的に判断する必要があります。日本では日本画像医療システム工業会(JIRA)からJESRA X-0093として「医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン」が発行されています。LumiCal Advancedシリーズには,AAPM TG18/DIN/JESRA標準に基づくQCテストの機能が用意されており,モニタ全体の画質の評価を行うことができます。モニタの品質管理は大きく分けて受入試験と不変性試験に分けられます。
・受入試験
受入試験は,目視検査項目として,全体評価,グレイスケール,アーチファクト,測定検査項目として,輝度均一性,コントラスト応答,最大輝度,輝度比,色度があります。
・不変性試験
LCDモニタはCRTモニタに比較して品質が安定して,理論上解像度の劣化が起こることはありません。しかし,バックライトは,経年使用によって輝度の低下が発生します。DICOM輝度カーブは,絶対的な輝度に対してグレイスケールの階調を規定しており,輝度の低下はDICOM輝度カーブへの適合性の問題を引き起こす可能性があります。バックライトセンサーを搭載して輝度が一定になるように制御しているモニタの場合,1年に1度,またない場合は6か月程度に1度の割合で,測定を含む不変性試験の実施がガイドラインで定められています。 より重要なのは日々の不変性試験です。JESRA X-0093では,日々の不変性試験として目視による全体評価を実施することを定めています。評価実施者はモニタの使用者,つまり医師自身です。日々の不変性試験は,基準画像を表示して指定された部分が明瞭に判別できるかを判断するだけで,適切なツールにより1分もあれば実施できます。

医療機関内のどの環境でも,より正しいデジタル医用画像が参照できることが重要になってきました。LumiCal Advancedの導入により,高いコストパフォーマンスで,安定した医用画像表示を行うことが可能となります。

ネットワーク管理

LumiCal Advanced Serverは,モニタ通信ライブラリによりモニタの状態や輝度センサーの値を読み込み,キャリブレーションや適合性試験を実行し,ネットワーク上にあるモニタの一元管理を実現するためのツールです。モニタは,DDCあるいはUSBなどのインターフェイスを介してキャリブレーションの実行に必要な機能を提供します(図6)。
LumiCal Advanced Serverのネットワーク管理により,LCDモニタ,表示ボードの情報管理および以下の制御がリモートで行われます。
(1)自動キャリブレーション
(2)自動適合性試験
(3)結果レポートの作成
(4)GUIでの監視機能の参照,条件変更
(5)GUIでの対話型キャリブレーション実行
(6)結果のグラフィカル表示機能
(7)警報機能(エラーを監視しメールで通報)
(8)電源監視
(9)セキュリティ管理

図6 ネットワーク管理のイメージ
図6 ネットワーク管理のイメージ

●まとめ

表示ボードであるUMDシリーズと,モニタ管理ソフトLumiCal Advancedシリーズの組み合わせにより,安定かつ最適なデジタル医用画像表示を実現できます。当社は,最適なメディカル・イメージングを実現するため,個別の製品を供給するだけでなく,ボード,モニタ,ソフトウエアを集積した,デジタル医用画像表示ソリューションを提供するべく製品開発を行っています。

問い合わせ先:
株式会社リアルビジョン
〒222-0033 神奈川県横浜市港北区新横浜3-1-4
TEL 045-473-7331 FAX 045-473-7330
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