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キヤノンメディカルシステムズ,「画論32nd The Best Image」を開催

2024-12-18

CT,MR,超音波の3部門で「The Best Image」を選出して表彰

CT,MR,超音波の3部門で
「The Best Image」を選出して表彰

キヤノンメディカルシステムズ(株)は,2024年12月15日(日),「画論32nd The Best Image」を東京国際フォーラム(東京都千代田区)で開催した。会場では,最終審査プレゼンテーション(CT,MR,超音波),特別講演,最終審査結果発表式が行われた。会場の模様はオンラインでWeb中継された。キヤノンメディカルシステムズのユーザーによる「画論 The Best Image」は,診断・治療に有用な画像のクオリティ,被検者へのメリット,テクニックの創意工夫など、クリニカルバリューを総合的に判断し「画像診断技術の発展と医療への貢献に役立つ画像」としてユーザー間で共有することで,さらなる質の向上や医療への貢献をめざすイベントとして定着している。今年は全国から379件の応募があり,その中から38件の上位入賞施設が最終審査に進んだ。

最終審査のディスカッションの様子(CT部門)

最終審査のディスカッションの様子(CT部門)

 

最終審査のディスカッションの様子(MR部門)

最終審査のディスカッションの様子(MR部門)

 

最終審査のディスカッションの様子(超音波部門)

最終審査のディスカッションの様子(超音波部門)

 

最終審査結果発表式では各部門の最優秀賞施設に瀧口社長から記念品が授与

最終審査結果発表式では各部門の最優秀賞施設に瀧口社長から記念品が授与

 

イベントの締めくくりに挨拶した同社代表取締役社長の瀧口登志夫氏は,「医療環境が大きく変化し,働き方改革やタスク・シェア / シフトが求められる中で,キヤノンメディカルシステムズは最新のAI技術を活用し,撮影から解析までシームレスなワークフローを支援し業務効率化や迅速な診断をサポートするソリューションの提供を行っている。今回の画論では,画像解析業務を支援する最新ワークステーション『Abierto Vision』を展示したほか,フォトンカウンティングCTについてはRSNAで共同研究施設から多くの発表をいただき高い評価を受けるなど,さまざまな取り組みを行っている。今後も画像医学の発展のためにクリニカルバリューを高める取り組みを続けて行く。その中で,画論において発表された新しい知恵やノウハウ,テクニックをわれわれに製品やサービスに反映し,それを実臨床の場で活用いただくというサイクルを回すことで,画像を通じて尊い命を守る医療に貢献していきたい」と述べた。
Abierto Visionは,AZE Virtual Placeに替わるキヤノンメディカルシステムズの新たな医用画像解析ワークステーションで,AI技術を活用した骨や脳の動静脈分離などの自動化技術,同社CTコンソールとの統一感のあるインターフェイスなどを特長とする。また,AIプラットフォームの「Abierto Reading Support Solution」も展示し,10種類のAIアプリケーションを選択して利用できることなどをアピールした。

瀧口登志夫 氏(代表取締役社長)

瀧口登志夫 氏(代表取締役社長)

 

新たな医用画像解析ワークステーション「Abierto Vision」を展示

新たな医用画像解析ワークステーション「Abierto Vision」を展示

 

AIプラットフォーム「Abierto Reading Support Solution」をアピール

AIプラットフォーム「Abierto Reading Support Solution」をアピール

 

特別講演は,「こんな画像がこんな病理に−膵癌進展のCT画像評価−」と題して公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構倉敷中央病院外科部長/中央滅菌センターセンター長の北川裕久氏が講演した。
北川氏は,膵がんの根治手術を専門とする外科医として,CT画像と病理像を対比して緻密な読影を行うことでR0(断端陰性の完全切除)をめざしている。講演では,膵頭部がん5症例,早期膵がん2症例を提示して,切離標本をCTと同じ断面で確認して手術を進めていることを紹介した。

特別講演:北川裕久 氏(倉敷中央病院)

特別講演:北川裕久 氏(倉敷中央病院)

 

特別講演後の発表式では,CT,MR,超音波の各部門で審査員による各賞の発表と,瀧口社長から記念品が授与された。今年はCTでは,1~160列,1~160列(心血管),Aquilion ONE,Aquilion ONE(心血管),Aquilion Precisionの5部門,MRでは,1.5テスラ以下(脳神経),1.5テスラ以下,3テスラ(脳神経),3テスラの4部門,超音波では,血管,心臓,腹部,乳腺・甲状腺・表在の4部門が設けられた。各部門の審査員と受賞施設は以下の通り。

CT部門審査員。右から平井俊範 氏(熊本大学),粟井和夫 氏(広島大学),吉岡邦浩 氏(岩手医科大学),陣崎雅弘 氏(慶應義塾大学),辻岡勝美 氏(藤田医科大学),山口隆義 氏(華岡青洲記念病院),瓜倉厚志 氏(国立がん研究センター中央病院)

CT部門審査員。右から平井俊範 氏(熊本大学),粟井和夫 氏(広島大学),吉岡邦浩 氏(岩手医科大学),陣崎雅弘 氏(慶應義塾大学),辻岡勝美 氏(藤田医科大学),山口隆義 氏(華岡青洲記念病院),瓜倉厚志 氏(国立がん研究センター中央病院)

 

MR部門審査員。右から阿部 修 氏(東京大学),伊東克能 氏(山口大学),横山健一 氏(杏林大学),小野 敦 氏(川崎医療福祉大学),佐藤秀二 氏(順天堂大学),沖川隆志 氏(済生会熊本病院)

MR部門審査員。右から阿部 修 氏(東京大学),伊東克能 氏(山口大学),横山健一 氏(杏林大学),小野 敦 氏(川崎医療福祉大学),佐藤秀二 氏(順天堂大学),沖川隆志 氏(済生会熊本病院)

 

超音波部門審査員。右から松尾 汎 氏(松尾クリニック/藤田医科大学),濵口浩敏 氏(北播磨総合医療センター),伊藤 浩 氏(川崎医科大学),瀬尾由広 氏(名古屋市立大学)

超音波部門審査員。右から松尾 汎 氏(松尾クリニック/藤田医科大学),濵口浩敏 氏(北播磨総合医療センター),伊藤 浩 氏(川崎医科大学),瀬尾由広 氏(名古屋市立大学)

 

同。右から畠 二郎 氏(川崎医科大学),岡庭信司 氏(飯田市立病院),小川眞広 氏(日本大学),平井都始子 氏(奈良県西和医療センター),何森亜由美 氏(高松平和病院)

同。右から畠 二郎 氏(川崎医科大学),岡庭信司 氏(飯田市立病院),小川眞広 氏(日本大学),平井都始子 氏(奈良県西和医療センター),何森亜由美 氏(高松平和病院)

 

【受賞施設】

〈CT〉

●1~160列部門

【最優秀賞】
経時差分処理画像(Temporal Subtraction Image)を用いた急性期脳梗塞の検出
自治医科大学附属さいたま医療センター

【テクニカル賞】
変形性股関節症に対する人工股関節置換術
福岡リハビリテーション病院

【優秀賞】
Iodine Mappingを用いたTACE治療
自治医科大学附属さいたま医療センター

●1~160列(心血管)部門

【最優秀賞】
下肢閉塞性動脈硬化症
社会医療法人社団 カレスサッポロ北光記念病院

【優秀賞】
透析AVF急性閉塞に対する低速注入CTAV
秦野赤十字病院

●Aquilion ONE部門

【最優秀賞】
軟骨情報を付加した生体内肘関節動態解析
大阪大学大学院医学系研究科

【優秀賞】
もやもや病
藤田医科大学ばんたね病院

肝類洞閉塞症候群
札幌医科大学附属病院

●Aquilion ONE(心血管)部門

【最優秀賞】
4D bolus tracking法を用いたEndoleak評価
佐賀大学医学部附属病院

【テクニカル賞】
カテーテルアブレーション術前の心筋遅延造影が筋強直性ジストロフィーの心筋障害検出の契機となった症例
自治医科大学附属さいたま医療センター

心破裂に対するウシ心膜パッチを使用した左室修復後の血流評価
順天堂大学医学部附属順天堂医院

CLEAR Motionを用いた非心電図同期の冠動脈評価
仙台厚生病院

【優秀賞】
非通常型心房粗動に対するケミカルアブレーション術前CT
医療法人徳洲会 札幌東徳洲会病院

心破裂に対するウシ心膜パッチを使用した左室修復後の血流評価
順天堂大学医学部附属順天堂医院

●Aquilion Precision部門

【最優秀賞】
CCJ-AVF(radicular AVF)における局在診断
藤田医科大学病院

【テクニカル賞】
肺血流ヨードマップとBPA治療支援を加味したハイブリッド撮影法
札幌医科大学附属病院

【優秀賞】
肺血流ヨードマップとBPA治療支援を加味したハイブリッド撮影法
札幌医科大学附属病院

〈MR〉

●1.5テスラ以下(脳神経)部門

【最優秀賞】
Time of flight (TOF)-MRA形状重ね合わせを用いた右中大脳動脈瘤の評価スト
藤田医科大学七栗記念病院

【優秀賞】
FE3D Multi-Echoを使った脳動脈と頭蓋骨の同時描出
医療法人 慶麗会 くぼた脳神経内科クリニック

●1.5テスラ以下部門

【最優秀賞】
左上腕痛
自治医科大学附属さいたま医療センター

【テクニカル賞】
乳がん骨転移
千葉県済生会習志野病院

【優秀賞】
熱源検索のための全身DWIで見つかった大動脈炎の一例
医療法人為久会 札幌共立五輪橋病院

心室期外収縮に対するシネMRI k-t SPEEDERの有用性
社会医療法人社団十全会 心臓病センター榊原病院

拡散強調画像のADC color mapを用いた腎機能評価
医療法人社団天宣会 北柏リハビリ総合病院

●3テスラ(脳神経)部門

【最優秀賞】
左内頚動脈-後交通動脈瘤clipping術後
社会医療法人 医翔会 札幌白石記念病院

【テクニカル賞】
Single shot-FSE FLAIR
愛知医科大学病院

●3テスラ部門

【最優秀賞】
副腎静脈サンプリング前の高精細術前マッピング
聖マリアンナ医科大学病院

【テクニカル賞】
気管支動脈瘤コイル塞栓術後の瘤内残存血流評価としての磁化率アーチファクト低減 4D-MRA撮像法の提案
藤田医科大学病院

【優秀賞】
肝腫瘍精査 短時間息止めダイナミック撮像と非造影での選択的血管描出
さいたま市立病院

【Clinical Update賞】
肺動静脈奇形
自治医科大学附属さいたま医療センター

〈超音波〉

●血管部門

【優秀賞】
腎生検後の腎動静脈瘻
東邦大学医療センター佐倉病院

大腿動静脈瘻・動脈奇形による盗血現象
九州大学病院

●心臓部門

【最優秀賞】
経胸壁3D心エコーにて三尖弁のヒンジポイントを同定し得たEbstein病の一例
岡山大学病院

【優秀賞】
ST上昇の原因精査に心エコー図検査が有用であった肺がん心膜・心筋転移の一例
神戸市立医療センター中央市民病院

多発性脳梗塞の塞栓源評価に経胸壁心エコー図検査が有用であったレフレル心内膜炎の一例
神戸市立医療センター中央市民病院

●腹部部門

【最優秀賞】
特徴的な超音波所見を呈した胆管拡張型膵・胆管合流異常
地方独立行政法人加古川市民病院機構 加古川中央市民病院

【優秀賞】
日齢5日のMeckel憩室バンドによる新生児腸閉塞に対して超音波検査で緊急手術の判断ができた症例
茨城県立こども病院

造影LowMI法を用いて観察しえた限局性結節性過形成(FNH)の早期肝静脈排泄
東邦大学医療センター大森病院

●乳腺・甲状腺・表在部門

【最優秀賞】
精巣内に再燃した悪性リンパ腫の一例
奈良県立医科大学附属病院

【優秀賞】
食道異物
茨城県立こども病院

 

●問い合わせ先
「画論 ザ・ベストイメージ」事務局
メールアドレス
thebestimage@medical.canon
受付時間
9:00~17:00(土・日・祝日・同社休業日を除く)
https://thebestimage.medical.canon/