2024-7-24
看護DX人材を育成する
教育プログラムの実施に関する契約書に調印
東京医療保健大学と台湾医療保健AIoT協会は,看護DX人材を育成する教育プログラムの実施に関する協定を締結し,2024年7月17日(水)に工業技術研究院東京事務所(東京都港区)において協定式を開催した。協定式には両者および台湾医療保健AIoT協会の日本国内窓口となるSmartHealth Japan International(株)が出席し,三者契約が交わされた。
現在,日本国内には看護情報に特化した資格認定制度は存在しないが,アメリカや台湾では看護情報分野の資格認定が行われており,教育プログラムの内容は国際スタンダードとなっている。台湾の医療機関では,認定情報看護師を副看護師長など管理職に配置して,医療情報部門をはじめ他部門と連携して看護DXを推進するなどしており,プロセスの簡素化や業務効率の向上,医療者間・患者とのコミュニケーション向上,看護師の負担軽減・人員不足への対応など,さまざまな効果を生み出している。
今回締結された協定に基づき,東京医療保健大学大学院医療保健学研究科では,看護実践開発学分野および医療保健情報学分野で認定情報看護師の教育プログラムが実施される。プログラムは,台湾医療保健AIoT協会が定めるカリキュラムに基づく30時間の授業で構成され,「看護実践開発学特論」「ヘルスインフォマティクス特論」の単位を取得することで,台湾医療保健AIoT協会および台湾看護情報学会が共同認定する「認定情報看護師」の受験資格を取得できる。また,試験も日本語で受験することができる。なお,台湾では看護師または看護学生が対象のプログラムであるが,日本国内では看護師免許を有しない大学院生(情報処理技術者)も受講・受験することができ,台湾医療保健AIoT協会が「看護情報エンジニア」資格を認定する予定となっている。
協定式においてビデオメッセージで挨拶した台湾医療保健AIoT協会の陳建志理事長は,「日本と台湾は高齢化という課題に直面しており,その解決には医療ケアの基盤である看護のDX推進が重要と考えている。そこで,日本で看護DXを担う人材を育成するために認定情報看護師のコースを共同で企画した」と協定の狙いを説明した。また,協定式に出席した同協会の劉立秘書長は挨拶で,「AIとIoTを組み合わせたAIoTは新しいトレンドであり,当協会ではグローバルスタンダードであるANCC(米国看護師認証センター)の看護情報学コースをベースとしたコースを提供している。今回,日本向けにローカライズしたコースを提供できるようになったが,この教育プログラムを広めて看護DXを推進していきたい」と述べた。
また,東京医療保健大学の亀山周二学長は,「今回の協定により,看護師の情報リテラシーレベルを向上させる良いチャンスを得たと考えている。台湾医療保健AIoT協会の協力を得て,グローバルスタンダードの教育コースを日本で初めて導入できることを嬉しく思う」と挨拶した。
協定式では三者契約の調印に続き,同協会の王佩麟副秘書長が看護DXの必要性や効果,Nursing Informatics Programの概要を紹介した。
●問い合わせ先
東京医療保健大学
https://www.thcu.ac.jp/