2024-3-15
ショールームに展示されたディスプレイ群
バルコ(株)は,同社の最新ディスプレイや映像配信/画像統合ソリューションを紹介するメディアカンファレンスを2024年3月14日(木)に同社内(東京都大田区)で開催した。カンファレンスでは,最初に代表取締役社長兼メディカルイメージング事業部長の加藤浩典氏が登壇し,2024年に創業90周年を迎えるバルコのイノベーションの歴史や2023年の実績などについて解説した。
次に,サージカル&モダリティ事業部長の今井勝正氏が非圧縮IPビデオソリューション「Nexxis」などの映像配信/画像統合ソリューションや,今後展開予定の新製品・技術について紹介した。2012年に世界初のインテリジェント手術室向けに開発されたNexxisは,2023年までに全世界で7000以上,うち日本では約500の血管撮影室や手術室へのインストールを達成している。非圧縮,広帯域10Gbps IPでノイズや遅延のない画像を提供。医療規格に加え,4Kや3Dなどの最新の映像信号にも対応し,従来のスタンダードFHD,2D映像信号と組み合わせて使用可能である。アンギオ/X線TV手術室向けソリューション「Nexxis IVR Solution」や,操作室のモニタを統合し簡便に院内映像配信を行える「Nexxis WorkSpot」など,検査ワークフローを大きく改善するソリューションを展開しており,今回,手術室内の映像や音声のリアルタイムかつ双方向な外部配信,アノテーションやチャットなどが可能な「Nexxis Live」に,クラウド上で録画が可能なソフトウエアが新たに加わったことが紹介された。また,保護ガラスに新技術を採用,映り込みを軽減したIVR用大画面ディスプレイや13.3インチの新たなタッチパネル,カバー,手袋越しや非接触でタッチパネルを操作可能にする新技術などが発表された。
最後に,メディカルイメージング事業部キーアカウントマネージャーの阪倉真人氏が登壇し,新製品である2種の32インチ8MPワイドディスプレイを中心に紹介した。これらの新型ディスプレイは,ブレストイメージング以外のあらゆる画像診断に最適な性能を持ち,2台のPCを切り替え可能なKVM機能や,初のFDA使用許可を取得したデジタルパソロジー向けディスプレイのノウハウを生かした病理学モードも搭載されている。また,同社製グラフィックスボードと連携し,コロナ禍以降日本でも導入されつつある自宅読影でのさまざまな画像観察にも対応する。さらに,高輝度ディスプレイ「Nio color 8MP」には,常時画像補正を可能にする同社独自のi-Guardセンサーが搭載されており,阪倉氏は,DICOM画像の精度が一貫して維持されていることをアピールした。また,ITEM2023で展示された高輝度PACS向けディスプレイ「Nio Color 3MP/2MP」,施設や医療法人全体の医用画像ディスプレイの一元管理ソフトウエア「QAWeb Enterprise」も併せて紹介された。
プレゼンテーション後にはショールームで製品デモンストレーションが行われ,同社の主要ラインアップや,プレゼンテーションで紹介された新製品・技術などが展示された。
●問い合わせ先
バルコ(株)
https://www.barco.com/ja/