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Healthtech/SUMが開催——ピッチコンテストは医用画像解析ソフトウエア「Chest Bone Indicator」を手がけるiSurgeryが最優秀賞

2024-1-5

テーマは「Re-Generate New Tide〜テクノロジーはヘルスケアを革新し得るか〜」

テーマは
「Re-Generate New Tide
〜テクノロジーはヘルスケアを革新し得るか〜」

ヘルステック企業などが参加する国内最大級のイベント,ヘルステック・サミット(Healthtech/SUM)が,2023年12月11日(月),12日(火)の2日間,室町三井ホール&カンファレンス(東京都中央区)で開催された。主催は日本経済新聞社とメドピア(株)。メドピアは,2015年からヘルステックのグローバルカンファレンスを開催しており,2019年からは日本経済新聞社と共催している。2020年には現在の名称に変更。9回目となる今回は,テーマには「Re-Generate New Tide〜テクノロジーはヘルスケアを革新し得るか〜」が掲げられた。ヘルスケア分野でも大注目となっている生成AIに関するセッションが設けられるなど,ヘルスケアを革新する技術に焦点が当てられた。11日,12日いずれもA,Bの2会場に分けて,多数のプログラムが用意された。

2日目の12月12日には,A会場において9時10分から1時間30分にわたって,生成AIを取り上げるSession 1「What's the Color of Your Toolbox ? ~How LLM Impacts Healthcare~(Generative AIの現在地~LLMがヘルスケアにもたらすインパクト~)」が行われた。モデレーターを石見 陽氏(メドピア代表取締役社長 CEO)と上田悠理氏(メドピア/Healthtech/SUM統括ディレクター)が務めた。石見氏は冒頭,生成AIについて,ヘルスケア分野における2023年の最大のトピックだとし述べ,本セッションを設けたねらいを説明した。また,落合孝文氏(渥美坂井法律事務所・外国法共同事業シニアパートナー/プロトタイプ政策研究所所長)と鳥飼幸太氏(群馬大学医学部附属病院システム統合センター准教授/副センター長)がパネリストとして登壇しうた。鳥飼氏は,医学教育において学生に生成AIを用いて課題に取り組ませていると紹介したほか,電子カルテなどの医療情報システムのデータを基にした医学的判断の補助ツールとしての活用について,今後の可能性に言及した。

さらに,アマゾン ウェブ サービス ジャパン(同),グーグル(同),日本マイクロソフト(株)によるデモンストレーションも行われた。アマゾン ウェブ サービス ジャパンは,瀧澤与一氏(執行役員パブリックセクター技術統括本部長)が,生成AIアプリケーション作成するサービス「Amazon Bedrock」を紹介。加えて,ヘルスケア分野での生成AI活用の事例として,藤田医科大学が取り組んでいる電子カルテの診療録と看護記録から退院サマリを自動で作成する生成AIの実証の内容を解説した。次いでグーグルのデモンストレーションが行われた。Joe Ledsam氏(Google Health Lead & Research)は,生成AIを用いた薬歴管理,サマリ作成を披露し,業務の効率化だけでなく,確実な薬剤投与を行えるなど,医療安全,患者マネジメントの観点からも生成AIが診療に寄与する可能性を示した。続いて,日本マイクロソフトから「Microsoft 365」にOpenAIの大規模言語モデル「GPT」を搭載した「Copilot for Microsoft 365」が紹介された。同社の大山訓弘氏(業務執行役員ヘルスケア統括本部長)と千葉哲平氏(ヘルスケア統括本部医療・製薬営業本部アカウント・テクノロジー・ストラテジスト)が登壇。千葉氏は,「Word」文書上で診療録と看護記録を自動で要約し,退院サマリ作成するソリューションを披露した。これらのデモンストレーション後にはモデレーターとパネリストを交えて,生成AIの倫理的な問題,個人情報や著作権にかかわる課題などが話し合われた。

ヘルスケア分野での生成AIの課題と可能性を議論

ヘルスケア分野での生成AIの課題と可能性を議論

 

この日は,Healthtech/SUMのメインイベントである恒例のピッチコンテストも行われた。このコンテストはヘルスケア分野のスタートアップ企業を対象にしたもので,例年,書類審査を経てHealthtech/SUM当日にファイナリストによる5分間のピッチと8分間の審査員との質疑応答を経て,最優秀賞をはじめとした各賞が決定する。今回は,「未病・予防」「生活支援」「見守り・育児・介護」「業務効率化・DX」「研究開発」「医療支援」の6ジャンルに54社が参加。8社がファイナリストに選出された。この中から,最優秀賞は,胸部X線画像から骨粗鬆症の診断を支援する医用画像解析ソフトウエア「Chest Bone Indicator」を手がけるiSurgery(株)(代表取締役:佐藤洋一氏)が受賞。副賞の100万円を手にした。このほか,アンビスホールディングス賞〔協賛:(株)アンビスホールディングス〕にGeneral Prognostics Inc.(GPx)(共同創業者/COO:松岡俊祐氏),EY Japan賞〔協賛:EY Japan(株)〕にリブト(株)〔代表取締役:後藤広明氏〕,ライフサイエンス賞〔協賛:(一社)ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)〕に(株)Josan-she’s(代表取締役:渡邊愛子氏)が選ばれた。

ピッチコンテストを総括した石見氏は,かつて日本のヘルステック産業が米国に遅れをとっているという現状を知り,成長させたいとの思いからHealthtech/SUMを始めたと振り返った。そして,回を重ねるごとに参加者が増えていることを踏まえ,ヘルステックは実装フェーズに入ったと述べた。そして,今後について,実装フェーズの中で,どのようなチャレンジをできるかが成功のカギとなると締めくくった。

最優秀賞を受賞したiSurgeryの佐藤洋一氏のプレゼンテーション

最優秀賞を受賞したiSurgeryの佐藤洋一氏のプレゼンテーション

 

記念撮影に納まる佐藤洋一氏(写真中央)

記念撮影に納まる佐藤洋一氏(写真中央)

 

ピッチコンテストを総括するメドピア代表取締役社長 CEOの石見 陽氏

ピッチコンテストを総括するメドピア代表取締役社長 CEOの石見 陽氏

 

●問い合わせ先
メドピア(株)
https://medpeer.co.jp/

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