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CureApp,治療アプリを活用した「スマート降圧療法」のリアルワールドデータを発表

2023-10-2

スマート降圧療法のリアルワールドデータや実臨床での事例を紹介

スマート降圧療法のリアルワールドデータや
実臨床での事例を紹介

(株)CureAppは2023年9月26日(火),医師の指導と治療アプリによる「スマート降圧療法」の降圧効果に関するリアルワールドデータを発表し,記者会見を開催した。同社は,治験にて治療有効性が証明され,薬事承認取得・保険適用にて医師が患者に処方する「治療アプリ」などを開発・製造販売する2014年創業のスタートアップで,現在,高血圧症向け治療アプリ「CureApp HT」とニコチン依存症治療アプリ「CureApp SC」の2つのアプリの薬事承認を得て,サービスを提供している。会見には,代表取締役社長/医師の佐竹晃太氏,メディカル統括取締役/医師の谷川朋幸氏が登壇し,第45回日本高血圧学会総会(2023年9月15日〜17日開催)で発表したスマート降圧療法の実臨床での降圧効果について報告するとともに,臨床現場で患者にアプリを処方している医療法人社団野村医院院長の野村和至氏が,治療アプリの処方により生活習慣が改善した事例などの紹介を行った。

佐竹晃太 氏(代表取締役社長)

佐竹晃太 氏(代表取締役社長)

 

谷川朋幸 氏(メディカル統括取締役)

谷川朋幸 氏(メディカル統括取締役)

 

野村和至 氏(野村医院院長)

野村和至 氏(野村医院院長)

 

CureApp HTは,「高血圧治療ガイドライン2019」に基づいた生活指導を実施して,生活習慣を修正し治療をサポートする世界初の高血圧症向け治療アプリで,2022年9月に提供が開始された。通院による医師の指導と併せて6か月間(保険期間)のプログラムが提供される。アプリを処方された患者は,キャラクターとの対話を通じて知識を習得し,起床時・就寝前の血圧や,体重,服薬,食塩摂取量などを記録。その情報を基に,アプリでは個々に応じたアドバイスや適切な行動目標を提示し,行動の実践と習慣化をうながす。医師は,外来時に医師アプリで血圧平均値の変化や活動の記録などを確認して診療に活用できる。

患者はキャラクターとの対話を通じて高血圧治療の知識を習得

患者はキャラクターとの対話を通じて高血圧治療の知識を習得

 

会見では佐竹氏の挨拶に続き,谷川氏が学会で発表した治療アプリ利用患者のリアルワールドにおける降圧効果と,治験(国内第Ⅲ相試験HERB-DH1)の事後解析について紹介した。谷川氏は,HERB-DH1試験では,降圧効果が大きいサブグループ,高齢者(65歳以上)への効果,薬物併用下での効果などの疑問が残っていたことから,リアルワールドデータの解析や治験の事後解析で追加のエビデンスを発表したと述べた。治験の事後解析では,BMI 25以上,塩分スコア 14以上で降圧効果が大きいことや,BMIと塩分スコアで改善が見られたサブグループで降圧量が大きいことが確認されたと報告した。また,実臨床でアプリを処方された患者を対象にした検討では,アプリ開始後12週間の血圧変化について,65歳以上,服薬ありの患者においても有意差をもって降圧効果が認められたことを紹介した。*詳細はプレスリリース を参照。

続いて,臨床現場で患者に治療アプリを処方している野村氏が,自身の経験から治療アプリの生活習慣改善への効果について報告した。高血圧治療においては生活習慣病の修正が重要であるものの,診察と診察の間に指導の空白期間が存在すること,来院時に多岐にわたる生活習慣の内容をすべて確認できないこと,自己管理が難しいことなどが課題として存在する。野村氏は,治療アプリでは空白期間の患者の情報を一覧で確認できるため,診察時により適切な指導を行えることを利点として挙げた。また,症例を紹介し,治療アプリで生活習慣改善を促すことで,降圧効果(または冬季の血圧維持)や降圧剤の減量,併存疾患の改善などが見られること,さらには患者が知識を周囲と共有することで家族や友人にも効果が広がることを報告した。野村氏は,患者が治療アプリにしっかりと取り組むことで,当初想定していたよりも高い降圧効果が得られていると述べ,治療アプリが推奨される患者像として,健康志向が強い患者,高血圧発症早期,内服薬に抵抗のある患者などを挙げた。そして,スマート降圧療法の本質とは,数値目標達成よりも日常を変えようと試みていること,改善した時にはその成果を褒めること,自己効力感を育てることでヘルスリテラシーが向上し,最終的に診療の質の向上や効率化につながることであるとまとめた。

「CureApp HT」に患者が日々の血圧などを入力することで,外来時に医師が経過を確認できる。

「CureApp HT」に患者が日々の血圧などを入力することで,外来時に医師が経過を確認できる。

 

●問い合わせ先
(株)CureApp
http://cureapp.co.jp/

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