2023-8-9
音声をリアルタイムに字幕表示する「Cotopat」を発表
京セラドキュメントソリューションズジャパン(株)と京セラ(株)は2023年8月8日(火),音声をリアルタイムに表示する字幕表示システム「Cotopat(コトパット)」の発表会を京セラドキュメントソリューションズジャパン東京本社(東京都港区)で開催した。発表会には,京セラ研究開発本部本部長の仲川彰一氏,京セラドキュメントソリューションズジャパン代表取締役社長の長井 孝氏と同社マーケティング統括部大阪第1マーケティング部部長の原 康二氏が出席し,開発の経緯や事業計画,製品特長などの説明と,システムのデモンストレーションが行われた。
Cotopatは,音声をAIを用いた音声認識技術で認識し,リアルタイムに文字・図解・動画で表示するシステムで,役所や駅,ホテル,医療機関などの窓口でのコミュニケーションを円滑にすることをめざして,京セラが開発した。システムは,表示スクリーン,アプリケーションがインストールされたプロジェクタ,マイク,テンキースイッチなどで構成され,窓口職員の発話をクラウド上で音声認識し,リアルタイムに表示スクリーンに字幕表示する。字幕をモニタやタブレット端末ではなく,窓口に設置されたアクリル板に貼付したスクリーンに表示することで,互いに表情を見ながらコミュニケーションを取ることができる。音声認識においては,96%以上の高い変換率が確認されており,同音異義語や文字区切りも自動で補正されるほか,単語登録をしておくことで専門用語の文字変換率を向上できる(ユーザーが有する音声認識辞書を登録可能)。また,登録した単語を強調表示(色づけ表示)する機能や,言葉に紐付けて図解や動画を文字と一緒に自動表示する機能も搭載している。
文字や図解・動画で情報を表示することで,聴覚障がい者や高齢者もコミュニケーションを取りやすくなるほか,標準で7言語〔日本語,英語,中国語(簡体・繁体),韓国語,ベトナム語,ポルトガル語〕の翻訳表示にも対応し,外国語話者とのコミュニケーションも支援する。Cotopatは,役所や大学,駅,ホテルなどでの実証実験を経て,8月17日(木)に京セラドキュメントソリューションズジャパンより発売される。システムセットの価格はオープン価格で,サポートサービスとして月額/年額の利用料が発生する。
発表会では,仲川氏が開発の背景や経緯を説明した。京セラは,情報通信,医療・ヘルスケア,環境・エネルギー,モビリティの4分野を中心に社会課題の解決に向けた研究開発に取り組んでおり,ビフォーコロナ・アフターコロナの社会課題として,さまざまな窓口における聴覚障がい者や高齢者,外国人とのコミュニケーション手段が十分に整備されていない点に着目した。Cotopatは,その解決をめざして,リアルタイム性,判別性(視覚化),設置性,対話性(外国語への対応)の4つを重視して開発されたことを紹介した。
●問い合わせ先
京セラドキュメントソリューションズ(株)
https://www.kyoceradocumentsolutions.co.jp/