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キヤノン,CT・超音波診断装置をデザインの視点から解説するオンラインセミナーを開催

2022-12-14

メディカルデザインについて同社デザイナーが解説

メディカルデザインについて同社デザイナーが解説

キヤノン(株)は,同社のデザイナーが最新のデザイン事例などを紹介するデザインオンラインセミナー「Meet-up Canon Design 2022」〔キヤノン,キヤノンマーケティングジャパン(株)主催〕を2022年12月1日(木)と13日(火)に開催した。13日のプログラムでは,「安心と信頼を創るメディカルデザイン」と題して,2022年度グットデザイン賞を受賞した80列CT「Aquilion Serve」,超音波診断装置「Aplio go/Aplio flex」,ウイルス検査用キット(パッケージデザイン)について,プロダクトデザインの視点からキヤノン総合デザインセンターの高野盛司郎氏(プロダクトデザイン担当),押本信夫氏(UXデザイン担当),飯島藍子氏(コミュニケーションデザイン担当)が解説した。

Aquilion Serveは,人工知能(AI)技術で開発した先進の自動化技術や画像再構成技術を搭載した80列マルチスライスCTとして,2022年4月に発売された。デザインのポイントは,1) 患者さんの不安感を緩和する曲面基調の本体デザイン,2)医療従事者の負担を軽減する新ワークフローを実現したUIデザインの2点を紹介した。1)では,ガントリを限界まで削り込むことで圧迫感をなくして,80cmの開口径やライティングなどによる工夫と合わせて不安感を和らげている。2)では,AIを用いて開発した「Automatic Camera Positioning」などの自動化技術による撮影サポートでワークフローを支援するが,デザイン面ではガントリのタッチパネルを用いた「タッチ+1ボタン」によるシンプル操作を実現した。従来はガントリに20個近いボタンがあったが,Aquilion Serveではタッチパネルと実行ボタンの構成にして,タッチパネルで部位を選択→実行の2アクションで寝台が移動できる。また,コンソールの操作画面は,撮影プロトコールの設定を時系列でグラフィカルなレイアウトにして,撮影内容を把握しながら設定できるユーザーインターフェイス(UI)を採用した。これによって検査時間の短縮や安心して検査が受けられる医療体験を提供している。

Aplio go/Aplio flexは,コンパクトなボディにAttenuation Imaging(ATI)やAIを用いて設計した計測アプリケーションなど高度な機能を搭載している。デザインのポイントとしては,1) 患者さんへの配慮から生まれた威圧感のないやさしいかたち,2) 目にやさしくUIと調和した操作パネルを挙げた。患者に近いところで検査が行われる超音波診断装置では,患者に対して威圧感のない装置の形状や操作する医療従事者が使いやすいUIが求められる。Aplio go/Aplio flexでは,小型化したことでより患者に近づいて検査が可能になり,曲面デザインを取り入れて威圧感のないやさしい印象のデザインを実現した。UIに関しては画面や操作パネルをダークカラーにして目にやさしく画面に集中できるように工夫されている。

キヤノンのデザインチームは,患者と医療従事者の双方の立場で細部まで繰り返し検討を行いデザインをブラッシュアップして,製品の企画開発チームと協力しながら安心で信頼性の高い製品を提供していることを紹介した。

 

●問い合わせ
Meet-up Canon Design事務局
TEL 03-5482-8284
対応時間:9:30~17:00(土日祝日を除く)